「E Pluribus Unum(エ・プルリブス・ウナム)」という言葉を知っていますか?これは、一ドル札の真ん中に「ONE」と書かれている右側に刻印されている文字です。米国という国が、その言葉に込めた、強い願いと信念を・・・。1776年、米国の植民地は、イギリスからの圧政に耐え続けていました。
13の植民地はそれぞれの文化、経済、そして地域ごとの独自性を持っていましたが、イギリスの重税と支配から自由になるために、彼らは一致団結する道を選びました。しかし、その「団結」は決して簡単なものではありませんでした。
各植民地は異なるバックグラウンドや利害を抱えており、共通の目標に向かうことは非常に難しい課題でした。この時代、米国の父祖たちは新しい国を建設するための象徴が必要だと感じていました。それは、異なる土地や文化を持つ13の植民地が一つになるという強い意志を表すものでした。様々な討議が重ねられる中、誰かが古代ローマの知恵を思い出します。
「E Pluribus Unum(エ・プルリブス・ウナム)」、すなわち「多くの中から一つ」。このラテン語の言葉は、彼らが目指す新しい国の象徴となったのです。異なる個性を持つ13の州が一つの国として団結する、それがまさに米国が抱いた理想でした。
米国が独立を勝ち取った後、次に向き合ったのは、統一国家としての基盤を築くことでした。独立戦争を勝利に導いたものの、13の州はまだそれぞれに独自の法律や政府を持ち、協力は決して強固なものではありませんでした。
米国合衆国憲法を作り上げる際、創設者たちは団結を象徴する強いメッセージを求めました。その時に思い出されたのが「E Pluribus Unum」だったのです。この言葉は、米国の国家印章にも採用され、政府のシンボルや建築物にも刻まれることとなりました。
このラテン語は、ただのスローガンではなく、多様な人々と地域が集まり、共通の目的を追求するために努力し続ける姿勢を表すものでした。時は進み、米国の国家的アイデンティティは次第に強化されていきました。
様々な国からの移民がこの「自由の国」に集まり、それぞれが異なる文化や価値観を持ち込んだにもかかわらず、一つの米国という国を作り上げる努力は続けられました。1935年、米国財務省は新しい1ドル札のデザインを考案することになりました。その時に選ばれたのが、国家の印章と共に「E Pluribus Unum(エ・プルリブス・ウナム)」という言葉でした。
このフレーズは、1ドル札の裏側、米国合衆国の大紋章(The Great Seal)の一部として刻まれることとなりました。国鳥であるワシがくちばしにくわえているリボンに、その言葉が誇らしげに描かれています。「E Pluribus Unum(エ・プルリブス・ウナム)」それは米国の建国の精神を象徴する言葉です。
多くの州、多くの文化、多くの個性から、一つの国家、一つの団結が生まれるという意味を持ちます。この言葉は、米国がただ一つの統一された国を目指すだけでなく、多様性を受け入れ、尊重する国であることを示しています。このフレーズが1ドル札に刻まれたのは偶然ではありません。
米国の通貨自体が、国家全体を繋ぎ、一つの力を象徴する存在です。世界中の人々が手にする1ドル札に、この言葉が刻まれていることで、米国という国の根本的な価値観が伝わっているのです。現在に至るまで、「E Pluribus Unum(エ・プルリブス・ウナム)」は米国合衆国のモットーの一つとして使われ続けています。
米国は多様な文化、宗教、価値観を持つ人々が集まる国ですが、それでも一つの国として団結するという理想が、この言葉に込められています。「多くの中から一つ」、それは米国だけでなく、現代の僕たちにも通じる普遍的なメッセージです。
異なるもの同士が集まり、新しい何かを作り上げる。それが、米国の夢であり、世界中の希望でもあるのかもしれません。「E Pluribus Unum(エ・プルリブス・ウナム)」は、米国が目指してきた、そして今も目指し続ける理念を象徴する言葉として、1ドル札に永遠に刻まれ続けているのです。
1週間ほどですが、妻と一緒に10年ぶりに中国本土に滞在していたことで、改めて、中国と米国の違いに、思考を巡らせることになりました。共に地球を代表する大国ではありますが、両国はあまりにも違いがあったからです。
滞在するうちに気付いたのは、米国と中国という二つの大国が、全く異なる文化的、思想的な基盤の上に成り立っているということでした。表面的な経済成長や都市の発展を越えたところに、両国の根本的な違いが見え隠れしていたのです。
中国では、集団主義の精神が社会の基盤に根強く存在しています。国家は国民全体を一つの大きな組織として捉え、その中で個人はあくまで全体の一部として機能することが求められます。何千年にもわたる中央集権的な歴史と、共産党による統治が、この考え方を強固なものにしてきました。
社会の安定や発展は、国家全体の利益を最優先に考えることで成り立っています。個別の文化的な差異は、全体の統一性を損なわない範囲で許容されますが、最終的には「一つの中国」という統一された姿に集約されるのです。
中国は長い間、強力な政府統制の下で国家の運営が行われてきました。中央政府が経済から文化、教育に至るまでの多くの側面をコントロールし、国家全体の発展を一貫して導いています。この統制力が中国の急速な発展を可能にしたとも言えるでしょう。効率的な国家運営と経済成長が、中央集権的な体制の中で成し遂げられてきたのです。
しかし、今回僕たちが見た中国は、外国の異なる思想を排除した、大きな壁に覆われた、非常に強固な閉鎖感を感じることになりました。
今月は、同じ月に米国ハワイと、中国広州の2カ国に滞在したことになりますが。中国本土に身をおいたからこそ、対象的な米国を改めて考えることにもつながりました。米国の精神は、「E Pluribus Unum(エ・プルリブス・ウナム)」に象徴されています。
異なる文化や背景を持つ人々が一つの国として団結するという理想を表しています。米国は、その歴史を通じて、自由や個人主義を尊重し、多様性を活かすことで成り立ってきました。米国では、個人の自由と創造力が集まり、新しい価値を生み出すという信念が根付いているのです。
ただの統一を意味するのではなく、「多様性があるからこそ強い」という米国の精神を体現しています。移民の国である米国では、異なるバックグラウンドを持つ人々がその違いを尊重し合い、相互に学び合いながら、共に新しい文化を創り出すというダイナミックなプロセスが常に進行しています。
米国の成長は、個人や企業が自発的にイノベーションを起こし、自由市場の中で競争することによって推進されてきました。自由こそが最大の成長エンジンと考えられ、政府の役割はあくまでその自由を守ることに重点が置かれます。
米国の社会は異なる意見や文化を許容し、それぞれが自由に活動できる場を提供することで、国全体の成長を促してきたのです。それぞれが自由に生きることで、全体としての豊かさを生み出すというアプローチですね。
その文化的な背景があり、米国は社会の幅広い分野で、ありとあらゆる人達が、多様な文化と知見を持ち寄り、新しいモノを生み出すメカニズムを内蔵した国であると言えます。それによって、多様性への対応が、消費者に広く指示されるブランドを次々と確立するに至ったのです。
米国企業は、多様な価値観や文化、嗜好に対応した製品やサービスを提供し続けることで、世界中の消費者から支持を集め、強固なブランド力を築くことに成功しています。こうした成功の背景には、各国や地域ごとのニーズを的確に把握し、多様な人材を効果的に活用する人材マネジメント戦略が大きく貢献していると考えられます。
なぜ米国に成長株が生まれるのか?
一つの国に多様な価値観と文化が混ざり合う場所がありました。それが米国です。広大な大地には、さまざまな背景や異なる考えを持つ人々が集まり、独自の生活様式や嗜好を形作っていました。そんな米国の消費者に向けて、米国企業は製品やサービスを提供し始めました。
初めは、自国の市場に根差したものでしたが、企業たちは次第に気づいていきました。米国という国は、他国にはないユニークな多様性があり、その多様なニーズに応え続けることが成功の鍵だと。人種、文化、嗜好に応じた商品を提供し、消費者に合ったサービスを展開していった米国企業は、国内で次第に強力な支持を得ていったのです。
しかし、ここで終わることはありませんでした。米国企業は国内の成功を踏み台に、次の挑戦に挑みます。それは、自国で培った多様な価値観への対応力を武器に、世界へ進出することでした。米国国内で多様なニーズに対応した製品やサービスは、米国外の市場でも驚くほど受け入れられるようになりました。
なぜなら、米国が抱える多様性は、世界全体にも通じるものだったからです。多文化を抱える米国消費者に支持された商品は、世界中の人々にも共感を得やすく、米国企業はその製品とサービスを通じて、グローバルスタンダードを作り上げていったのです。とはいえ、彼らはただ単に米国のスタイルを押し付けることはしませんでした。
世界に出ていった米国企業は、各国や地域の独自の文化や嗜好を理解し、現地に合った「ローカル化」も進めていきました。例えば、ある国では伝統的な味を尊重した食品を、また別の国では地元の生活習慣に合わせた家電製品を提供しました。どの市場でも、現地の人々が求めるものを深く理解し、独自のニーズに応えることで、より多くの消費者の心をつかんだのです。
こうして米国企業は、どこに行っても変わらぬ品質を提供しつつも、その土地の文化やニーズに合わせた柔軟なサービスを展開することで、世界中で強力なブランド力を確立することに成功したのでした。それは、ただの「世界標準」ではなく、各地域の個性や文化を尊重しつつ、グローバルに展開するという、新しい成功の形だったのです。
そして今、米国企業はその多様性を尊重する姿勢と、現地に根ざしたアプローチで、世界中の消費者からの揺るぎない信頼を獲得し続けています。それはまさに、グローバルとローカルの絶妙な融合であり、米国国内での成功を基盤にして築き上げられた、世界規模での成長物語です。
「E Pluribus Unum(エ・プルリブス・ウナム)」という言葉は、「多くの中から一つ」という意味を持ち、米国の建国の精神を象徴しています。この言葉は、さまざまな背景や異なる価値観を持つ人々が集まって一つの国を築き上げたという、米国の多様性を尊重する姿勢を表しています。
この「多くの中から一つ」という考え方は、実は投資においても重要な意味を持ちます。米国の成長株に投資する。成長株とは、未来に向けて飛躍的な成長を遂げる可能性がある企業の株です。その中には、技術革新や新しいサービスを提供し、未来の市場を変えていく可能性を秘めた企業が数多く存在しています。
「E Pluribus Unum(エ・プルリブス・ウナム)」の精神を持つ米国は、多様な市場やニーズに応じて柔軟に対応できる企業を数多く生み出してきました。米国の企業は、国内外で多様な価値観に対応しながら成長を続け、その結果として世界の市場で圧倒的な影響力を持つようになっています。
このような企業が成長株となり、投資家にとっても大きな利益をもたらすチャンスとなるのです。多様な企業の中から最も可能性の高い成長企業を見極め、そこに投資することは、長期的な視点で見れば非常に効果的です。
特に、米国の成長株は、経済全体の動向や企業の成長力によっては、数年、数十年という長期スパンで見ると、複利効果が大きく働きます。株価の上昇や、企業の利益成長が続く中で、投資額は次第に大きく膨れ上がり、最終的には大きな金融資産を形成することが可能になります。米国の成長株に集中して取り組むことが、僕たちの将来の金融資産を確実に成長させるカギとなるのです。
「北の株式投資大学」 https://m.kitasociety.com/k-univ