ビジネスの売上をただ無策に拡大させてしまうと、倒産リスクを同時に高める可能性があるという警鐘が響いてきます。「ビジネスで利益を稼ぐことよりも、資産を残すことの方が遥かに難しい」メンターが繰り返し語る真理です。

確かに、多くの人がビジネスを始めて軌道に乗せるものの、手元に何も残らず終わるケースが後を絶ちません。売上が拡大することで得られるのは、一時的な繁栄かもしれません。しかし、利益が増えても、それがそのまま手元に残るわけではないのが現実です。

利益率の高い事業を運営していたとしても、税引き後に残る所得や法人の利益は決して大きくはありません。さらに、運転資金や設備投資に追われる日々が続けば、どれだけ利益を上げても、それを蓄える余裕はなくなります。

売上規模が増大すると、それに比例して経費も増加し、運転資金は膨らみ続けます。毎月の資金の出入りは大きくなりますが、最終的に手元に残るのはほんのわずか。結局は、節税対策に奔走し、なんとか利益を残すための手立てを模索することが日常となってしまいます。

いざ、ビジネスを止めざるを得ない状況に追い込まれた時、あるいは外的な要因で事業が停止してしまった時、自分の手元に何も残っていない状況が現実となり得るのです。これが、自ら事業を興し、独立してビジネスを営む多くの自営業者たちの現実です。

年商7億の壁に立つ影

N氏は年商7億に達するという一見華々しい成果を手にしたものの、その口からこぼれたのは次のような言葉でした。

「売上は確かに7億にまで伸びましたが、従業員の数も増え、出費も増大してしまいました。そして、私は自分の都合で資金を自由に動かすことさえできなくなりました。これでは、何のためにビジネスをやっているのか、正直わからなくなっています・・・」この嘆きは、多くの経営者が直面する「規模の呪縛」を象徴しています。

N氏の過去と現在を冷静に分析したところ、年商1億の頃と比べて、手元に残るお金の額はさほど変わっていないという驚愕の事実が明らかになりました。それにもかかわらず、従業員は15名も抱え、運転資金や設備投資に多大な資金が必要になり、経営の自由度はむしろ減少しています。

外的要因によりビジネスが突然ストップしてしまった場合、従業員の給与支払いを中止することはできません。この危うい状況に、N氏も不安を募らせています。売上が億単位に膨れ上がり、ビジネスが順調に見える反面、多くの経営者がこの「成長の罠」に陥っているのです。

規模の拡大は一見魅力的ですが、同時にリスクも増加し、ビジネスが常に儲かり続ける保証などどこにもありません。その結果、N氏は「ケイタ式」による新しいビジネスの立ち上げに着手しました。月商100万を突破し、新たな可能性を探るものの、またもや同じ疑念が頭をよぎります。

売上が大きくなるほど、何のためにビジネスを行っているのかが不透明になりかねないというのです。重要なのは、「お金を残す」という目的を見失わないことです。生活費を稼ぐためにビジネスを行うのは当然ですが、同時に5年、10年先の資産形成を見据えた「マネーゲーム」にも注力すべきです。

ビジネスは、ただ売上を追求するのではなく、自分の理想とする自由を守るために適切な規模と形でデザインし続けることが求められます。そうでなければ、せっかくサラリーマンから脱却し、自由を求めて起業したにもかかわらず、その自由を手放す羽目になりかねません。

ゼロから月商1000万を目指す段階では、がむしゃらに走ることも重要です。しかし、それ以上を追い求めるならば、今一度、ビジネスの目的を見つめ直し、適切なバランスを保つことが鍵となります。

「タバコ箱の法則」

かつて大富豪ファーザーは静かに、手に取ったタバコの箱を机に置き、次のように語り始めました。「ここにタバコの箱がある。これを縦にすると、簡単に倒れてしまう。側面を下にしてもまだ不安定だ。しかし、こうして寝かせて置けば、絶対に倒れることはない。だが、箱の体積そのものは変わらないんだよ。」

この例えが示すもの、それは単に物理の法則ではなく、ビジネスを進めるうえでの普遍的な真理であり、経営者としての知恵でもあります。

たとえば、N氏のように年商7億にまで成長を遂げたとしても、果たしてそれが本当に「成功」なのでしょうか?何のためにその規模に達したのか、その目的が曖昧であれば、巨大な売上は単なる不安定さを増すだけです。

もしその成長が、根拠もないままに売上を追い求めただけであれば、いずれさまざまな弊害が生じてくることでしょう。上場を目指すためならともかく、何のために成長したのかを明確にしていないなら、経営者としての方向性は狂い始めます。

「地下ソサエティ」での教えは、そうした無目的な拡大を良しとはしません。なぜなら、最終的に目指すべきは、売上や規模ではなく、税率が最も低い手段で資産を築き続ける「株式投資」へと収束するからです。

経営とは、単に大きくすることではなく、最も美しい形で、最も効率よく「お金を残す」こと。それこそが真の目的です。無計画に売上を増やし、従業員を増やし、会社の規模を膨張させる経営は、決して理想的な選択ではありません。

むしろ、メンターが示す「タバコ箱の法則」が示唆するように、倒れにくい安定した形を保ちながら、同じ体積で最大限の効率を追求することが、長期的な成功の鍵です。会社が成長しても、その規模を無秩序に拡大していくと、いずれは後戻りできない状況に陥ります。

そして、痛みを伴うリストラを余儀なくされるか、もしくは全く別の事業でゼロからやり直す羽目になります。だからこそ、会社の形を最初から慎重に設計し、未来から逆算して構築していくことが重要です。

それは、お金、時間、そして場所の自由を手に入れるための唯一の道です。そして、それこそが、自営業者が本来目指すべきゴールではないでしょうか?会社の経営を成功させるとは、単に売上を増やすことではなく、シンプルでありながらも強固な基盤を持つ形を保ち続けること。そうしてこそ、自由を手に入れることができるのです。

「無策に右肩上がりを目指すな!」

「無策に右肩上がりを目指すな!」と、かつて大富豪ファーザーから厳粛に言い放たれた言葉は、当時の僕にとって衝撃的でした。成功を目指す者にとって、右肩上がりこそが唯一の道筋だと思い込んでいた僕は、初めその言葉に混乱し、疑念さえ抱いたものです。

「どうして、成長を追い求めてはならないのか?」という問いが、心の中でぐるぐると巡り、しばらくはその答えを見出せずにいました。しかし、御方が語るその一言には、長い歳月を経て生き残り続けた者だけが知る深い真理が込められているのだ、と次第に悟るようになったのです。

僕はその後も、その言葉の真意を理解しようと努めました。そして、20年にわたる自営業者としての経験を通じて、御方の言葉が指し示していた意味、そしてその価値がようやくわかり始めたのです。振り返れば、世間の経営者たちは、常に「上へ、上へ」と成長を追い求め、目に見える成果を誇示しようとしています。

しかし、彼らの多くは、途中でその足元を掬われ、成功の道から外れてしまうことが少なくありません。一方で、御方の経営スタイルは違います。最初から、ビジネスの適正サイズを見極め、それに合わせて狙い通りの形をデザインしていく。この経営哲学は、長期的な成功を見据えた極めて理にかなったものであり、数々の経験を通じて、僕もその価値を痛感しています。

「経営」とは、単なる数字の追求ではなく、適正な形で持続可能な基盤を築き、その基盤から資産を増やしていくこと。そこには、単なる拡大主義ではなく、叡智とバランスが必要なのです。だからこそ、熟練した自営業者であっても、一度はその目的を見失い、本末転倒なことに陥ることがあるのです。

それを防ぐためには、素直な学びの姿勢を持ち、もう一度、会社経営とは何か、そして株式投資や資産運用とは何かをゼロから見直すことが必要です。「北の物販大富豪の戦略術」を再現し、適切な資金創出と増幅の手段を構築するためには、「地下ソサエティ」の知恵と共に歩むことが最適な道です。ぜひ、この道を共に歩んでみてください。

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