南の楽園、ハワイから始まった米国の旅。一度、ホノルルのアラモアナセンター近辺にあるコンドミニアムで滞在した後。荷物を軽くした上で、再び、Daniel K. Inouye International Airport(ダニエル・K・イノウエ国際空港)に向かい。米国国内線と言っても、日本の国内線とは異なり、いつものハワイから日本への出国と同じように、パスポートとチケットを提示、荷物検査を終えた後入ったのは、普通に国際線が出発する建物と全く同じだった。
アラスカ航空の飛行機に搭乗し、シートに身を沈めると、窓の外には広がる青い空と、海の境目が見えた。飛行機が滑走路を駆け抜けた後、ビーチとヤシの木が小さくなった。約5時間50分の空の旅が終わりに近づくと、機長からのアナウンスが、サンノゼ(San Jose)への到着が近いことを告げられた。
飛行機は滑らかに着陸し、ノーマン・Y・ミネタ・サンノゼ国際空港のゲートに到着した。空港の中にはいくつかハイテクの無人売店があり、アナログ感漂う、ハワイのダニエル空港とは違う、洗練された雰囲気を感じた。今回の旅の目的地は、世界のITの発祥地でもあり、そして現在もなお、その中心として輝き続ける「シリコンバレー」だ。
僕は個人的にも、サラリーマン時代の2004年、まさにITによって覚醒して、その後も自営業者として活動できるに至った者の一人。いつか行こうとはずっと考えていたが、先延ばしにしてしまっていて。結局、こうして「聖地シリコンバレー」を巡礼するまでに20年も経過してしまった。荷物を受け取った後、早速「Uber」アプリを立ち上げ、「Uber」専用のライドポイントから空港近くのホテルへと向かった。
※メモ:「シリコンバレー」に聖地巡礼する場合、米国内の移動なら「ノーマン・Y・ミネタ・サンノゼ国際空港」が便利ですが。日本からの移動の場合、ANAとJALの便数的に「サンフラワー空港」から、陸路で「シリコンバレー」に移動した方が良いです。
シリコンバレーがIT世界を創った・・・
シリコンバレー(Silicon Valley)は、米国カルフォルニア州北部の、サンフランシスコ・ベイエリアの南部に位置しているサンタクララバレーおよびその周辺の地域の名称です。主要な都市には、今回僕がホテル滞在したサンノゼ、そして、マウンテンビュー、パロアルト、サニーベール、サンタクララ・・・などがあります。
特定の一箇所を公的に指す地名ではなく、ある程度広い地域一帯の通称として使用されています。多数の半導体メーカーが集まっていたこと、半導体の主原料は「ケイ素=英:silicon」および、渓谷の地形(英:valley)に由来しています。1930年代にスタンフォード大学のフレデリック・ターマン教授が地域の産業振興を推進したことが始まりとされています。
その後、1950年代に半導体技術が発展し、「インテル(Intel)」などの企業が誕生しました。そして、1980年代以降、ソフトウェアやインターネット企業の台頭によって、数々の巨大テック企業が誕生。今日では、Apple、Google(Alphabet)、Meta(旧Facebook)、NVIDIA、Tesla(旧本社)などの、世界中に名を轟かす企業の本社が集中しています。
これらの企業が中心となって、世界のデジタル化を推進し、テクノロジーやビジネスのあり方を根本から変えました。スマートフォン、クラウドコンピューティング、人工知能(AI)など、多くの革新的な技術がこの地で開発されました。こうして、シリコンバレーは、世界のIT産業の中心地になっているわけです。
今日時点でも、「失敗を恐れない」起業文化が、地域に根付いています。世界大学ランキングトップクラスの、スタンフォード大学なども近くにあります。世界中から優秀な人材が集まり、様々なバックグランドの人々が共存する多文化的な環境があります。
アイディアを実行する起業家たち、アイディアにお金を出すベンチャーキャピタルたち、その両方が豊富に存在していて、カフェの中でも、様々な国籍の外国人たちが、MacBookに向かってメガネを光らせながら、何かをパチパチしている様子を伺うことができますね。
シリコンバレーの先端IT企業
参考情報として・・・シリコンバレー内に本拠を置いている先端IT企業。
・アドビ (Adobe Inc.)
・アドバンスト・マイクロ・デバイセズ (AMD)
・アジレント・テクノロジー (Agilent Technologies)
・Apple
・アプライド・マテリアルズ (Applied Materials)
・シスコシステムズ
・eBay(イーベイ)
・エレクトロニック・アーツ
・Google(グーグル)
・ヒューレット・パッカード (HP)
・インテル
・インテュイット
・ジュニパーネットワークス
・マックストア
・ナショナル セミコンダクター
・Facebook(フェイスブック)
・ネットアップ
・NVIDIA(エヌビディア)
・オラクル
・サン・マイクロシステムズ
・シマンテック
・ザイリンクス
・Yahoo!(ヤフー・インク)
上記に加えてシリコンバレー内に本拠を置く著名な企業。(一部は買収や、他のエリアに移転済み)
・テスラ
・スリーコム(HPが買収)
・アダプテック
・アムダール
・アタリ
・Atmel(アトメル)
・サイプレス・セミコンダクター
・ファウンドリーネットワークス
・Knight-Ridder
(ナイトライダー。The McClatchy Company(マクラシー社)が取得)
・LSIコーポレーション (LSIC)
・マカフィー(インテルが買収)
・ネットスケープ(AOLが取得)
・NeXT Computer, Inc.(現Apple Inc.)
・パーム(HPが買収)
・ACCESS Systems(アクセスシステムズ)
・PayPal(eBayが取得)
・Powerset
・ラムバス
・レッドバック・ネットワークス(英語版)
・サンディスク
・シリコングラフィックス
・ソレクトロン(英語版)
・ティーボ
・VA Software(VAソフトウェア。スラッシュドット)
・ベリサイン
・VERITAS(シマンテックが取得)
・VMware(EMCが取得)
これらの企業の成功は、アメリカ全土に知れ渡り、それまで経済が停滞していた米国にとって、IT産業の隆盛は、経済復活の狼煙になりました。その後、他地方でも、シリコンバレーをモデルケースとして、大手、ベンチャー企業や大学、政府などの働きかけによって、IT産業が成熟する基盤が構築されて、そのうちいくつかは、世界中に名を轟かす企業へと成長を遂げました。
「シリコンバレー」への「聖地巡礼」
エンジニア系とかでは無いですが、僕もIT業界で事業を起こし、物販、サービス、情報と、様々なビジネスを営んできた、IT起業家とも言えます。
そして既に、起業後20年以上も、この業界で生き残り続けています。僕自身は、何かのシステムなどを開発したことはありませんが、まさに「シリコンバレー」で、生み出されたシステムやサービス、デバイスなどを活用して、ビジネスを行って来ました。さらに今では、「米国株投資家」として、こうした米国企業の株式を所有して、その年間増加金額は、本業のビジネスからの収益を、遥かに大きいものになって来ています。
米国「シリコンバレー」が創り出したサービスを活用して、ビジネスでお金を稼ぎ、米国「シリコンバレー」が創り出したサービスなどを提供する企業らに投資をしてお金を増やす。僕の人生の約半分は、まさに「シリコンバレー」によって、支えられて来たことが分かります。
神様・仏様を中心とした宗教では、死後の「シアワセ」をもたらせてくれるものが多いと思いますが。これらの米国企業は、僕の生前に、現在進行形で「シアワセ」をもたらせてくれています。「聖地巡礼」とは本来、宗教的な意味合いを持つ言葉で、信仰の対象となる神聖な場所やゆかりの地を訪れる行為を指します。
キリスト教であれば、スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」の巡礼路。イスラム教であれば、サウジアラビアのメッカへの巡礼(ハッジ)。仏教であれば、インドのブッダゆかりの地を巡る巡礼。これらの巡礼では、それぞれの宗教の概念にもとづく、信仰を深めたり、自分自身を清めたりする目的で、聖地を訪れることですが。
僕にとっての「神」や「仏」は、ITやテクノロジーであり。
・初心を思い出す:僕自身が歩んできた道を振り返り、原点に立ち返るため・・・。
・インスピレーションを得る:新しいアイディアや目標を再発見するため・・・。
・敬意を表す:業界を築いてきた先駆者たちへの感謝や敬意を示すため・・・。
・自らを鼓舞する:シリコンバレーのエネルギーを吸収し、再び挑戦する意欲をたかめるため・・・。
過去、現在、未来の僕自身を見つめ直し、新たなステージに向けて心を整える儀式的な意味を込めて。IT・テクノロジー業界の象徴的な地である、ここシリコンバレーに「聖地巡礼」することになったわけです。