現代社会は、工業社会(Society 3.0)から情報社会(Society 4.0)を経て、AIやIoTが牽引する超スマート社会(Society 5.0)へと進化しています。この変革期において、企業の「価値創造」がどのように変遷し、投資家としてどのような視点で成長株を見極めるべきなのでしょうか?まずは、ミライを想定する前に、過去の世の中の流れを理解する必要があります。

Society3.0「工業社会」日本の高度経済成長

日本が1989年以前の工業社会(Society 3.0)において世界有数の経済大国へと成長した経緯を振り返ってみましょう。第二次世界大戦後、日本は壊滅的な被害を受けましたが、アメリカ合衆国の支援と占領政策の下で、迅速な経済復興を遂げました。

特に、石炭や鉄鋼などの基幹産業に重点を置いた「傾斜生産方式」の採用が、産業基盤の再建に寄与。労働市場への女性の参入促進などの政策も、労働力の確保と経済成長を支えたのです。1950年代の朝鮮戦争は、日本経済に特需をもたらし、重工業を中心とした産業の成長を促進しました。

この特需が、戦後復興から高度経済成長への橋渡しとなったのです。1955年から1973年にかけて、日本は年平均10%以上の経済成長を遂げる高度経済成長期を迎えました。技術者の養成や労働者のスキル向上が重視されて、企業内での教育・訓練(OJT)が充実し、技術者の能力向上が図られて、教育制度の充実により、労働者のスキルや知識が高まりました。

高くなった教育水準を背景に、良質で安価な労働力が供給されたと同時に、農村から都市への人口移動により、製造業への労働力供給が強化されたのです。また、戦前から蓄積された技術力が、戦後の産業発展に活かされました。官民一体となった技術開発が進み、製造業の競争力を高めました。

企業は積極的に設備投資を行い、日本発の新商品を開発し、生産能力の拡大を図ったのです。経済成長に伴い、国民の所得水準が向上し、自動車、家電製品など、耐久消費財への需要が急増しました。これにより、製造業はさらなる生産拡大と技術革新を追求し、経済成長の好循環が生まれました。

そんな中で、固定相場制下での円安(1ドル=360円)が、日本製品の輸出競争力を高め、外需拡大に寄与したのです。これらの要因が相互に作用し、日本は工業社会において世界有数の経済大国へと成長したのです。

Society4.0「情報社会」インターネットの普及

1990年代以降、情報技術の進歩とインターネットの普及により、社会は大きな変革を迎えました。Society 4.0「情報社会」の到来です。1992年、日本で最初のインターネットサービスプロバイダーが登場し、1996年にはインターネットの世帯普及率が3.3%に達しました。

その後、2000年には37.1%にまで拡大し、GoogleやAmazonといった海外の大手IT企業が日本市場に参入。情報の入手や商品購入が容易になり、社会全体のデジタル化が進行しました。1990年代後半から2000年代にかけて、ソニーはVAIOノートPCやSony Ericssonなどの革新的な製品を市場に投入し、モバイルデバイスの普及に貢献しました。

けれども、2008年にAppleがMacBook Airを発売し、洗練されたデザインとユーザーエクスペリエンスで市場を席巻。同年、iPhoneが日本で発売され、スマートフォンの普及が加速しました。これにより、消費者はクラウドサービスやSNSを通じて、いつでもどこでも情報にアクセスできる環境が整いました。

情報社会への移行に伴い、米国企業はパソコンやスマートフォン市場で優位性を確立し、クラウドサービスやユーザー基盤を独占するようになりました。一方、日本企業は従来の「ものづくり」の発想から脱却できず、デザイン性やユーザーエクスペリエンスの面で遅れをとってしまいました。

その結果、ソニーは2014年にVAIOブランドのパソコン事業を売却するなど、情報社会における競争力の低下が顕在化したのです。2010年には日本のインターネット普及率が78.2%に達し、スマートフォンの普及とともに、クラウドサービスやSNSの利用が一般化。

個人が情報を発信し、共有することが容易になり、社会全体の情報流通が活性化しました。けれども、これらのプラットフォームの多くは米国企業によって提供されており、日本企業は情報社会における主導権を完全に喪失したのです。

Society 5.0「超スマート社会」ホントに使えるAI

「情報社会(Society 4.0)」からAIを中心とした「超スマート社会(Society 5.0)」への移行は、技術革新と社会的ニーズの変化が相互に作用しながら急速に進行してきました。インターネットや情報通信技術の飛躍的な発展により、情報社会が形成されて。人々は大量の情報にアクセスし、コミュニケーション手段も多様化しました。

けれども、情報の過剰供給により、必要な情報を効率的に収集・分析することが困難になる「情報過多」の問題が浮上しました。また、先進国を中心に、高齢化や環境問題など、従来の技術や社会システムでは解決が難しい課題も顕在化してきましたね。こうした背景の中で、人工知能(AI)技術が急速に進化を遂げました。

機械学習や深層学習の技術革新により、AIは大量のデータを高速かつ高精度で分析し、人間の意思決定をサポートする能力を獲得したのです。医療、金融、製造業など多岐にわたる分野でのAIの実装が進み、社会全体の効率化と新たな価値創造が可能なりました。

けれども、その根幹部分に残念ながら日本の存在はありませんでした。日本がAI(人工知能)の台頭において主導的な役割を果たせず、米国がその分野を独占するに至った背景とは?まず、日本は高度経済成長期に製造業で世界をリードしましたが、AI分野では人材不足が深刻です。博士課程修了者の減少や、企業が高度なAI人材を十分に活用できていない現状があります。

AI研究の質と量でも遅れを取りました。日本のAI関連論文の被引用数は他国に比べて少なく、研究の影響力が限定的です。さらに、データ基盤の整備が不十分で、企業間でのデータ共有が進みませんでした。これにより、AI導入の効果が限定的となり、米国企業との間で大きな差が生じてしまったのです。

また、保守的な企業文化や組織構造が、イノベーションを阻害しました。新しい技術の導入やリスクを取る姿勢が不足し、AIの研究&開発への致命的な遅れにつながりました。一方で、米国はSociety 4.0「情報社会」の成功によって獲得した豊富な資金力を背景に、リスクを取り、AIの研究開発に多額の投資を行いました。

また、スタートアップ企業の活発な活動や、トップ企業の勢いが、AI分野でのリーダーシップを支えることになりました。こうして日本は、完全に米国の「デジタル小作人」的な位置づけに成り下がってしまったのです。

「社会」が変わっても変わらないもの

社会が変遷しても不変の要素として、「価値創造」が挙げられます。これは、人々の役に立ち、社会に貢献する商品やサービスを提供することを指します。企業活動の本質は、どの時代においてもこの「価値創造」にあります。成長株への投資は、この「価値創造」の視点から特に重要です。

「成長株」とは、売上や利益の成長率が高く、今後も高い成長が見込まれる企業の株式を指します。これらの企業は、革新的な商品やサービスを通じて市場シェアを拡大し、持続的な成長を遂げています。成長株への投資は、企業の成長に伴う株価上昇を期待するものです。

けれども、かつての経済世界ナンバー1の日本が、衰退してしまったように、成長が途中で鈍化すると、株価が大きく下落するリスクも伴います。このようなリスクを理解し、適切な投資判断を行うためには、株式投資に関する深い知識と分析力が必要です。「北の株式投資大学」は、投資家が自らの意志と力で株の銘柄を選定し、投資できるようになることを目的としています。

株式投資で負けずに勝ち続けるための「投資脳」を育成することを重視しています。また、同大学の授業は毎月2回、Zoomと教室(基本的に東京)で開催されており、各授業は収録され、会員限定サイトで視聴可能です。いつでも繰り返し学ぶことができます。

「北の株式投資大学」で学ぶことで、成長株投資のリスクとリターンを理解し、適切な投資判断を下す力を身につけることができます。これは、長期的に安定した資産形成を目指す投資家にとって、非常に有益な学びとなるでしょう。

Society3.0「工業社会」Society4.0「情報社会」Society5.0「超スマート社会」と世の中が、大きくシフトした今。これから先の5年〜10年で、最も「価値創造」の活動ができている企業はどこの国のどの企業なのか?「成長株」の本質を理解して、株式投資家として「10倍株(テンバガー)」を共に実現しましょう!

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