「経済ってなんだろう?」と聞かれたら、答えるのが少し難しいかもしれません。けれども、実は僕たちの毎日の暮らしととても深く関わっているのです。
例えば、僕たち人間が生きていくために必要なものを考えてみましょう。太陽、重力、光や空気、水の一部は自然から無料でもらえます。でも、衣食住、食べ物や服、住む場所などはお金を払わなければ手に入りませんよね。学校に行くにも、遊びに行くにも、電車やバスを使うにも、毎月の光熱費も、ほとんどの場面でお金が必要になります。
つまり、現代社会に生きる僕たちは「生きる」ために、何かしらの方法でお金を「稼ぎ」、そしてお金を使わないと、生きていけないのです。この「お金を稼いで、使う」という活動のことを「経済活動」と呼びます。そして、こうした経済活動がたくさん集まってできるのが「経済」です。学校を卒業して大人になると、自分で生活に必要なお金を稼がなければなりません。
働いてお金をもらう人もいれば、自分でお店を開く人や、投資でお金を増やす人もいます。どんな形であれ、人はお金を得て、それを生活のために使っていきます。このサイクルが、社会全体で回っているのが経済なのです。では、国の「経済の大きさ」はどうやって測るのでしょう?
その指標の一つが「GDP(国内総生産)」です。GDPは、1年間に国内でつくられたすべての商品やサービスの合計額のこと。わかりやすく言えば、「その国で1年間にどれだけの価値をつくったか」を示しています。GDPが増えれば、「経済が成長している」と判断されます。世界を見てみると、500年前の世界のGDPは約2,480億ドル。それが今では95.8兆ドルを超えています。
参考数値
・アメリカが約27兆7,207億ドル
・中国が約17兆7,580億ドル
・ドイツが約4兆5,270億ドル
・日本が約4兆2,198億ドル
世界全体の名目GDP合計:約95兆8,921億ドル
人口も大きく増えて、5億人から82億人以上にまでなりました。このように、長い時間をかけて人も経済もどんどん成長してきたのです。なぜ、そんなに成長できたのでしょうか?その背景にある人類の歴史を確認していきたいと思います。
文明と「封建制度」の誕生
昔の人たちは、自分の体を使って働いて暮らしていました。狩りや農作業で食べ物を得て、自分たちの力で生活していた時代です。
・約600万年前:人類はチンパンジー君たちとは別の道を歩み始めた
・約250万年前:今の僕たちと大体同じようなホモ属が出現
・約20万年前:僕たち自身であるサピエンスが出現
こうして人類は、長く狩猟採集の生活を送って来ました。これが「Society1.0=狩猟社会」と呼ばれる時代です。その後、約1万年前に、農耕と牧畜が広まり、「Society2.0=農耕社会」に進みました。農耕によって「蓄える」「所有」という概念が発生したことで、「持っている人」と「持たない人」の間に差が生まれ、社会の仕組みがより複雑になっていきました。
その集大成として誕生したのが「文明」です。約5,000年前に、古代エジプト文明、メソポタミア文明が誕生しました。中世ヨーロッパや古代中国など、いくつかの歴史的な社会で見られた社会経済的なシステムに「封建制度」というものがあります。
土地所有と軍事的なサービスの交換を中心にした、一連の相互依存関係に基づいていた制度です。ある程度閉鎖された「土地」に縛られた関係性の中でのみ成立しています。
・君主(王や皇帝など)は自身の信頼する貴族に土地(領地や封土)を与える。
・土地を与えられた貴族は「領主」または「封建主」と呼ばれ、その土地と人々を支配し、税収を得る。
・領主は、自分の土地を管理するためにさらに下位の騎士や領主に一部の土地を与える。
・領主はその土地を与えた君主に対して忠誠を誓い、戦時には軍事的な援助を提供する義務がある。
領主は、自身の騎士や兵士を率いて、君主の戦争に参加し土地を拡大するのです。下位には、農地を耕す「農奴」や「小作人」がいました。彼らは領主の土地で働き、その代わりに保護と生活のための土地を得ます。土地と軍事的なサービスの交換を通じて、社会が機能していました。
戦争によって土地(領土)を拡大し、拡大した地で、酪農を行うという形で、人類は生産性を高めて行きました。けれども、当時はまだエネルギー源が限定されていたので、人類の生産性が本格的な成長するには至りませんでした。
「資本主義」の誕生とGDPの加速度的成長
およそ150年前に起きた産業革命で、世界は大きく変わりました。蒸気機関、電気、石油などの新しい力を使って、機械が人の代わりに働けるようになったのです。工場では大量に物をつくれるようになり、経済は急速に拡大しました。
「産業革命」画期的な技術革新が発生
・動力源の開発が人類のライフスタイルを急速に変革
・工業化によって交通インフラ、経済、市民生活その全てが激変
・第一次産業革命:軽工業がイギリスから始まった
・第二次産業革命:電気や石油による重化学工業への移行期
・第三次産業革命:原子力エネルギーの利用が始まった
これが「Society3.0=工業社会」です。人間が寝てる間も自分以外のエネルギーが原動力となり働いてくれて、経済の拡大が可能になりました。このころに、「資本主義」という新しいしくみが生まれました。これは、事業を始めたい人が、遠くにいる見知らぬ人からもお金(資本)を集められるようになるという考え方です。
土地や人間関係に縛られる事無く、海の向こうの全く知らない人たちからでも資金を調達可能になり、事業の拡大を加速できるようになりました。お金を出す人(投資家)は、事業が成功すればその分利益を得られるし、実際に働く人(事業家)は、その資金でアイディアを形にできる。
この仕組みのおかげで、新しいモノやサービスが次々と生まれ、経済はどんどん大きくなったのです。「資本主義」と「エネルギーの革新」が、人類を爆発的に急成長するための大発明になったのです。
現代では、1991年の「携帯電話・PHS」の一般普及と、1995年の「Windows95」誕生とパソコンの一般普及、2007年の「iPhone」誕生と、スマホの一般普及を中心とした、「Society4.0=情報社会」を経て、「Society5.0=超スマート社会」と呼ばれる時代に入りました。
インターネットに接続された、様々なセンサーやログと呼ばれる活動履歴から得られる膨大なデータ(ビッグデータ)が、AIによって解析されて、ロボット、自動運転など、さまざまな技術へと派生して行きました。これらもまた、事業家と投資家が一緒になって「価値あるもの」をつくろうとしてきた結果です。そして、世界のGDPの成長は、今なお続いているのです。
経済成長の日米比較
日本と米国の経済を考察してみましょう。昭和の時代、米国を超える経済成長を見せた日本。当時は、日本発で世界に広がった画期的な発明がいくつもありました。
世界ではじめて本格的に「半導体」を事業化、ラジオ・音楽・テレビ、ありとあらゆるモノを屋外に持ち運べるようにした「SONY」。砂漠で車を走らせても絶対に壊れない、不滅のガソリンエンジンを創った「トヨタ」。電子ゲーム機を最初に屋外に持ち出せるようにした「任天堂」。どこでも温かいラーメンを食べられるようにした「日清食品」。
日本が毎年10%以上の「経済成長率」を叩き出していた時代に、日本で産み出され、世界中に広がった商品が沢山ある。その後、米国はIT(インフォメーションテクノロジー)という新しい産業を創出して復活しました。
Microsoft、Google、Apple、Facebook、Amazonなどは、20年前なら日本企業が簡単に買収できてしまうレベルの小さな会社でした。けれども、今ではGAFAM5社だけでも日本の全上場企業の時価総額を上回るようになりました。
成功を手に入れてドヤって「価値創造」の活動をサボるようになった典型的な「飛んでイスタンブール」成金的な行動パターンの日本。2013年から始まった「量的質的金融緩和」で、日銀がお金を「信用創造」しまくったにも関わらず、日本から新しい「価値創造」が誕生しませんでした。
一方で、常に未来を見続けて、着実に「価値創造」の活動を続けて来た米国。米国も「量的質的金融緩和」を行いましたが、意味と価値のある「信用創造」でした。「資金」を手に入れた「投資家」と「事業家」が、さらなる「価値創造」を産み出しまくり、世界を独占するに至ったのです。
ニュースなどで「GDP」や「経済成長率」という言葉を見たときには、その数字の背景にある人々の努力や「価値創造」を想像してみてください。経済とは、単にお金が行き来する仕組みではなく、「ありがとう!」を生み出す活動の集まりでもあるのです。誰かに感謝されること、それが経済における「価値」であり、結果としてお金という形で評価されるのが資本主義社会の原則です。
だから、僕たちも「人の役に立つにはどうしたらいいか?」と考えて行動することが、経済の中で生きていく力になりますし。無敗の「株式投資家」への近道なのです。
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