株式投資というと、「お金が増える」「資産が増える」といったポジティブなイメージを持っている方が多いかもしれません。けれども現実には、株式投資で「勝ち続けている人」はほんの一握りです。
もし、株式市場が単純なゼロサムゲーム(誰かが得をすれば、誰かが損をする)であったとしたら、勝てる確率は50%になるはずですよね。けれども、実際には・・・
・株式投資で勝てる人:10%
・株式投資で負けてしまう人:90%
なぜ、これほどの差がついてしまうのでしょうか?そこで、株式投資の負ける要素を考察して行きましょう。
(1)サラリーマン投資家の限界と現実
多くの方が「証券会社の担当者」や「エコノミスト」の意見をもとに、株の「買い・売り」を判断しているかと思います。ですが、彼らは「サラリーマン予想家」です。日本の場合、彼らがどれだけ当たる予想をしたとしても、給料が爆発的に上がることはありません。
一方で予想が大きく外れると、顧客からのクレームにさらされ、評価が下がる可能性があります。会社の看板を背負って、会社の名刺を差し出している状態で、お客様にアドバイスをしなくてはならないので、会社の方針に反したアドバイスはできません。近年では、担当者がお客様に対してお話した内容が、全て収録されていますので、なおさらです。
だからこそ、極端な予想は避けて、誰でも考えそうな「無難」な予想しか出せないのです。彼らが口にするのは、たいてい「短期的な相場予想」であり、「5年後・10年後を見据えた長期の視点」は、仕事の立場上語ることができないのが現実です。
(2)ポジショントークに惑わされるな
投資対象企業の経営者や、投資対象企業の株を持っている投資家は、自社株が「上がってほしい」と心から願っています。そして、「未来は明るいですよ」と、どうしても希望的なことばかりを口にしてしまいます。これを「ポジショントーク」といいます。立場があるからこその発言であり、自ずと「客観性」と「真実性」は弱まります。
肝心なところが情報隠蔽されていたり、痛いところをうまく避けて語られていたり。彼らの意見を鵜呑みにして投資判断してしまうと、誤った投資判断につながってしまうことが多いです。
(3)知識人ぶった人のネガティブトークにも注意
テレビやネットで「評論家」や「経済系YouTuber」と呼ばれる人が、辛口な批判や悲観的な話をしているのを見たことがあると思います。ネガティブな意見は、一見「知的」に聞こえるかもしれません。けれども、よく耳を傾けると「根拠が曖昧」なことが多いのです。冷静な分析に見せかけて、実はただの不安を煽っているだけというケースも少なくありません。
(4)「これから上がる株はこれ!」という話に要注意
SNSやYouTube、経済誌で「この株がこれから上がります!」と声高に語る人たちがいますが、注意が必要です。その人たちは、すでにその株を仕込んでいる可能性が高いです。
そして、自分のフォロワーにその株を買わせて、株価が上がったところで自分だけ「こっそり売り抜けて」いるかもしれません。これは、「イナゴ投資家」と呼ばれる短期売買の個人投資家たちを「カモ」にする手法とも言えます。短期で儲かる話ほど、鵜呑みにしてはいけません。
(5)「初心者はインデックスがオススメ」という落とし穴
多くの人が「初心者ならインデックス投資が安全」と言います。たしかに、過去10年間で見れば、インデックス投資だけでも資産は2〜3倍になっています。しかし、同じ期間に「成長株」に投資をしていたら、資産が10倍以上になっていた人もいます。インデックスは「何も考えずに投資できる」と言われますが、景気が悪いときには全体的に下がります。
調子がいい時も、「成長していない会社」が足を引っ張って、成長株の伸びを妨げてしまうのです。今の時代、「成長する企業」と「成長しない企業」の差が非常に大きくなっています。
『結論』90%が負けてしまう理由
(1)〜(5)でお話したような情報ばかりに頼って投資をすると、90%の「負け組」に入ってしまう可能性が高いのです。中短期で儲けようとするほど、難易度が上がります。だからこそ、情報に振り回されず、「長期視点(5年〜10年)」で「成長する企業」に投資するスタンスが大切なのです。知識ではなく、視点を変えること。それが「無敗の投資家」になるための第一歩なのです。
お金がないから株は買えないと思っている
株式投資で負け続ける方々が、共通的に口にする言葉「貯金がないから、株式投資はできません」。
負ける原因(1):お金がないから株は買えないと思っている株式投資は「貯金」ではなく、「毎月の収入の中から少しずつ積み立てていく」ことでも開始できます。
特に僕たちが投資対象としている米国株なら、1株からでも購入できます。株価によりますが数万円もあれば買えるのです。投資資金がないという理由は「お金がないから」ではなく、実は「投資したくないだけ」かもしれません。長期視点で積み立てていくことによっても、「成長株」の力を借りて資産はゆっくり、でも確実に増えていきます。
銀行預金ではお金が2倍になるのに何万年もかかると言われる低金利の今、投資を始めない理由は見つかりません。重要なことですが、株式投資に使うお金を増やすためには、「毎月の収入 − 毎月の支出=毎月の投資資金」ではなく、「毎月の収入 − 毎月の投資資金=毎月の支出」と考え方に切り替える必要があります。
「投資資金がない」という人は、そもそもの優先順位が違う場合が多いです。入ってきた収入の最優先事項が、株式投資のための資金に充てる。残った資金で、生活をする。この「シンプルな式」を意識するだけです。たとえば「毎月2万円だけは必ず投資に回す」といったルールを作っておくと、生活に組み込みやすくなりますし、これが「ドルコスト平均法」にもつながります。
本来、毎月の安定収入がある方であれば、生活防衛資金(2〜3ヶ月分の生活費)があれば、残りは全額投資にまわしても問題無いのです。このベースの考え方がある上で、
支出を減らすには?
・ポイント生活(楽天ポイントやPayPayなどを活用)
・生活費を見直し、ローンの組み方も工夫する
・「今それ本当に必要?」と自問して浪費を減らす
収入を増やすには?
・サラリーマンとして昇進・昇給を目指す
・海外駐在員のチャンスを狙う
・転職して待遇改善を目指す
・副業(例:「ロイ式」や「ケイタ式」ビジネス)を始めて収入源を増やす
・会社経営+銀行融資でお金を創るに挑戦する
収入部分と、支出部分の改善を図るのです。
「怖いから」「分からないから」
株式投資で負け続ける方々が、口にする言葉「株って怖いから、よく分からないし、自分には無理です」。
負ける原因(2):「怖いから」「分からないから」と思考停止してしまうことです。実際、多くの方が「株はギャンブル」「損をしたらどうしよう」と不安になります。その気持ちも分かります。
でも、これは「相場」を読もうとするから起こる不安なのです。株式投資とは本来、「相場」に賭けるのではなく、「企業」に投資することです。大切なのは、将来成長しそうな会社を見つけ、そのビジネスの中身を理解したうえで、長期的に応援する気持ちでお金を投じることです。
たとえば、あなたが毎日使っているスマホやアプリ、買っている飲み物、よく行くお店。そうした日常の中に、実は成長企業のヒントがあります。僕たちは、相場そのものは、どうなるかは分かりません。でも、その会社がどんな価値を提供しているのか、どんな未来を描こうとしているのかは、情報を集め研究することで見えてきます。
「どちらの未来がリスクが高いのか?」一方は、成長企業に自分のお金を託し、その企業が優秀な人材と技術力をもって、世界中でビジネスを展開していく未来。もう一方は、自分の時間と体力を切り売りして、定年まで働き続ける未来。その後の老後の生活も、貯金と年金だけに頼らなければならない現実。正直、後者の方がよほどリスクが高くないでしょうか?
自分自身が、これからもずっと稼ぎ続けられるという自信がある人ならまだしも、「ポンコツな自分」に将来を託す方が、よっぽど大きなリスクだとは思いませんか?一方で、成長企業は世界中の優秀な人材を雇い、最先端の技術を武器にし、僕たちでは到底実現できないようなビジネスを展開しています。
そんな企業に「リスク(不確実性)」を託すことで、僕たちはその対価として「リターン(成長)」を得るわけです。長期的に株価が下がる局面があっても、成長が見込める企業であれば「今は割引セールだ」と考えて買い増しすることもできます。「知る」「考える」「少しずつ始める」というステップを踏むことで、その「リスク」を安心へと変えていくことが可能なのです。
上がったところで早々に売ってしまう
株式投資で負け続ける方々が、次に口にする言葉「株が上がったから、今売って利益を確定させておこうかな」。
負ける原因(3):せっかく成長株に投資しても、上がったところで早々に売ってしまうことです。これも株式投資で多くの人が考えてしまう「典型的な失敗パターン」です。
株式投資の力を最大限に活用するには「長期保有が大切だ」です。でも実際には、成長企業の株を持っていても、少し株価が上がっただけで利益確定してしまう人がほとんどです。たとえば、過去には、わずか数ヶ月で株価が2倍〜3倍になるような局面がありました。もちろん、それを見て「もう十分利益が出たし、今売ってしまおう」と考える気持ちは分かります。
けれども、それでは「長期投資」の最大の武器である「複利の力」を自分で壊してしまうことになるのです。「複利」とは、利益にさらに利益が重なる力のこと。株価が2倍、3倍と伸びていく企業に投資しているなら、5年〜10年と保有することで、資産は10倍(「テンバガー」)にも成長することがあります。
途中で売ってしまえば、その成長の果実を味わうことはできません。だからこそ大切なのは、「株価が上がったから売る」のではなく、「その企業がまだ成長し続けられるか?」という観点で判断することです。では、もし生活が苦しくなったときのために売ってしまうリスクはどうすればよいのでしょうか?
最低でも2ヶ月〜3ヶ月分の生活費を「生活防衛資金」として貯金しておくこと。クレジットカードの支払いサイクルなどを理解しておくと、急に現金が必要になってもある程度の時間的余裕ができます。さらに、優良な「米国成長株」は「流動性」が高いため、平日の相場が開いている時間であれば、いつでも売って現金化できます。
必要な時に資金化できるという安心感があれば、株価が上がっても無理に利確する必要はありません。忘れてはいけないのは、僕たち個人投資家の最大の特権。それは「期限がない」ということです。大手の機関投資家とは違い、僕たちは決算期や報告義務に縛られず、ずっと株を持ち続けていても誰にも文句を言われません。
「時間の自由」があるからこそ、長期で投資できる。成長企業の力を信じて、複利の果実をしっかり味わうことができるのです。以上を踏まえて、本日の21時〜とある「米国成長株N」の企業研究を3時間かけて行います。この成長株は、間違いなく「下がっても買える」銘柄ですので、今日お話したポイントを抑えて、しっかりと確認頂きたいと思います。
4月9日(水)21時〜「勝ち確の企業考察」「北の株式投資大学」 https://m.kitasociety.com/k-univ
※今日のお話を「Spotifyポッドキャスト」で視聴する→ https://creators.spotify.com/pod/show/s43vncn03k/episodes/ep-e3194c1