「自己投資家」から「無敗の株式投資家」への昇格に必要な考え方を、シリーズでお話させて頂いています。今日は昨日の続き・・・。
今、自分が投資しようとしているその企業は、どんな人たちにどんな価値を提供しているのか?未来に向けてどんな問題を解決しようとしているのか?その事業はどれほどの人々の暮らしに影響を与えているのか?競合他社との優位性は何か?組織としての成長を継続させる仕組みや人材育成力はあるか?経営トップ(CEO)の思想やビジョンは信頼に足るか?このような深い視点で企業を見ることができる人は、目先の「株の値動き」に惑わされず、本質的に強い企業を見極めることができます。
ここでひとつ、よく使われる株価の指標「PER(株価収益率)」にも触れておきましょう。PERは、株価がその企業の1株当たりの利益(EPS)の何倍かを表す指標で、株が割安か割高かを判断する目安とされています。たとえば株価が1,000円でEPSが100円ならPERは10倍となります。
しかし、このPERはあくまでも「短期的な目安」であり、未来の成長性まで反映できるものではありません。実際、米国の半導体大手NVIDIAは、わずか1年で純利益が約9.4倍になったという記録的な成長を見せました。2023年には生成AIブームの追い風を受けて、企業の利益は予想を遥かに上回るペースで増大し、PERで考えていた投資家たちの予想を大きく覆しました。
つまり、PERが「高すぎるから買わない」といった短期的な視点で判断することは、将来の大きなリターンを逃す原因になりかねません。重要なのは、その企業が「今後も継続的に社会に価値を提供できるかどうか」なのです。社会から必要とされ続ける企業は、そこで得た利益をさらに再投資し、より大きな価値を創り出していきます。
研究開発、設備投資、有能な人材の獲得、ライバル企業のM&Aなど、再投資の範囲は広がり続け、企業の成長は「複利的」に加速していくのです。そのような企業の株を、できるだけ早い段階で購入し、10年、20年と長期で持ち続けること。株式投資の王道であり、最も確実に資産を増やす方法です。
お金は、人々の役に立つ活動に集まり続けます。「価値を生み出し、感謝されている企業」にお金を託すのが、投資家として正しい姿勢です。社会全体が進化し、人類の課題が複雑化する今だからこそ、僕たち投資家には「未来の価値を見抜く力」が求められているのです。
僕たちが企業の「オーナー」になれる
僕たちは、株式市場を通して、世界中の人々の暮らしをより良くする企業の株式を購入することで、その企業の「オーナー」になれます。例えば・・・あなたがAmazonの株を1株でも保有していれば、世界中に商品とサービスを提供するこの企業の一部を所有していることになります。
Amazonは、僕たちが電車で移動している間にも、社員が無数のオンラインショップを通じて膨大な商品を世界中の顧客に届けています。その物流やノウハウをもとに構築されたクラウドサービスは、今や各国の政府や企業、個人にとって欠かせないインフラです。
Microsoftは?あなたが眠っている間にも、同社のクラウド環境上ではAIがアプリケーションの処理を補助し、あらゆる業務や生活の場面で人々を支えています。社員たちは、世界の「働く」を支える仕組みを提供するために日々開発を続けています。
Teslaは?僕たちが家族と食事を楽しんでいる時にも、Teslaの社員たちは電気自動車の開発・生産に取り組み、環境問題の解決に向けた提案と技術革新を進めています。蓄電システムの分野でも、未来のエネルギー問題の解決に貢献しようとする活動が進んでいます。
NVIDIAは、AI・IoT時代の中核を担う存在です。あなたが公園でピクニックをしている間にも、彼らのGPUはクラウド上で映像処理やAI計算を高速化し、より快適なIT社会を陰で支えています。
SNSを提供するMETAでは、何十億人ものユーザーが時間や場所を越えてつながる場を提供しています。僕たちが百貨店でショッピングをしている時間にも、世界中のユーザーたちが企業やサービスとの縁を広告によって結びつけられ、社会的・経済的な価値を生み出しているのです。
Johnson & Johnsonは医療の分野で、人類の健康を支えています。僕たちがドライブを楽しんでいる間にも、同社の医薬品や医療機器が世界中の人々の命を守ってくれているのです。
Coca-Cola。世界200を超える国と地域で、1日に22億杯分もの飲料を提供しています。人々に「おいしさ」や「ひとときの安らぎ」を届け続けるこの企業は、人口増加とともに市場を拡大し続けているのです。あなたはどんな根拠で、どの企業のオーナーになりますか?
「世のため、人のため、自分のため」
「優良な成長企業」に共通しているのは、「世のため、人のために働き続けている」ということ。株主である僕たちは、その活動を支援するオーナーの一人となることができます。株式投資とは「社会貢献活動の一部を担うこと」であり、その結果として、企業価値が上がり、自分の資産も増えるというサイクルが生まれるのです。
重要なのは、こうした企業が行っているのは「一時的な儲け」ではなく、「価値創造と貢献活動」であるという点です。活動は24時間365日、世界のどこかで止まることなく進み続けています。僕たち自身は凡人であっても構わない。自分一人の時間と労力では、世界の問題すべてに貢献することはできないかもしれませんが、世界トップクラスの有能な経営者や社員が、僕たちの代わりに働いて、社会課題を解決し、世の中をより良くしてくれる。
だから、僕たちは彼らに「資金」という形で応援するのです。株式を通じて資金を託し、彼らの成長を見守る。その活動が成果を上げたとき、株主として利益という形で報われる。これは、ただのギャンブルではありません。5年、10年という時間をかけて、社会に必要とされる企業とともに歩み、社会貢献を間接的に実行していくこと。それが、株式投資の本質なのです。
だから、短期的な値動きに一喜一憂する必要はありません。「この企業は今後も価値を提供し続けられるか?」「本当に人々の課題を解決しようとしているか?」という視点で企業を見極め、株を持ち続ける姿勢が大切です。逆に言えば、5年〜10年持ち続けられないような企業の株は、最初から買わない。長期的に資産を築くための株式投資の鉄則です。
あなたが投資家として成長したいなら、まずは「株を持つことは、貢献活動に加わることだ」と知ってください。その企業がどれほどの人たちの生活を支え、未来に貢献しようとしているのかを想像しながら、株式を選び、保有していくのです。それが、凡人でも世界を良くすることができる、人々を喜ばせたり、抱えている問題を解決したり。その貢献活動の成果が評価されて、配当収入や、価格上昇によって、お金という形で報われるのです。「株式投資」は最もスマートな貢献活動のひとつなのです。
<その3へ続く>
「株の銘柄名」だけを聞いても、「株式投資」では勝ち続けられません。
・怖くて投資できないか?
・ちょっと上がって売却するか?
・下がってビビって損切りするか?
株式投資を本質的に理解して、「無敗の株式投資家」を共にめざしましょう!「北の株式投資大学」→ https://koumei5.com/kabu_line
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