<暗号資産の「不確実性」と「根拠不明の価格形成」>
「ビットコイン」をはじめとする暗号資産(仮想通貨)は、表面的には「次世代の通貨」「デジタルゴールド」として注目を集め続けています。しかし、長期投資によって安定的に資産を増やそうとする僕たちにとって、この市場は構造的にも、“投資対象”とは呼べない領域にあります。
<理由その1>
利益成長の根拠が存在しない株式投資の本質は「企業の利益成長に対する参加」です。企業は商品やサービスを提供し、利益を上げ、その一部を株主に還元します。株価はその利益の拡大(=実体経済の成長)に連動して上がる・・・これは経済学的にも、財務会計的にも説明可能な因果構造です。この視点から見たときに、暗号資産には、「利益」も「売上」も「配当」もありません。
価値の裏付けとなる生産活動が存在しないため、価格上昇を説明できる合理的根拠が欠如しています。そのため価格の変動は、「誰かがより高い値段で買ってくれるかどうか?」という、純粋な投機(ギャンブル)構造に依存しています。この状態は、経済学でいう「バブル均衡(self-fulfilling bubble)」に近く、価値が上がる“理由”は存在せず、上がるという“信念”そのものが理由になっているに過ぎません。
<理由その2>
誰も“価格の算定モデル”を持っていない株式にはPER(株価収益率)やPBR(純資産倍率)といった「ファンダメンタル指標」が存在します。債券には利回りと金利があり、不動産には賃料収益と鑑定評価があります。しかし、暗号資産には「適正価格」を算出する基準そのものが存在しません。金融工学・マクロ経済学・行動経済学のいずれの領域でも、ビットコイン価格を合理的に説明する公式は確立されていません。そのため、価格変動の説明は常に事後的・感情的・推測的であり、「なぜ上がったのか?」「なぜ下がったのか?」を明確に説明できる人は誰もいません。暗号資産市場は、「完全情報の欠如」「取引主体の非合理性」「非効率市場仮説(Inefficient Market Hypothesis)」に該当します。つまり、理論的に投資判断の基盤を置くことが不可能な市場なのです。
<理由その3>
実需が存在しない(価値の裏付けがない)株式や債券には「資金の使い道」が存在します。企業や国が資金を調達し、生産活動・社会資本整備などに活用するため、経済全体に還元されます。しかし、暗号資産の取引のほとんどは交換・売買そのものが目的です。通貨としての利用率は極めて低く(世界の決済総額の1%未満)、ほとんどが「値上がり益」を狙うだけの短期売買です。つまり、経済の血液としての機能を果たしていないのです。
<理由その4>
価格の主導権が不透明株式市場では、上場企業の開示義務と監査制度により、情報の透明性が担保されています。一方、暗号資産市場では大口投資家(クジラ)や取引所内部の動きが価格を左右します。需給構造が閉鎖的であり、市場操作(Market Manipulation)のリスクが極めて高い。また、取引所ごとに価格差があり、世界的な統一基準が存在しません。そのため、価格形成の透明性・公平性が欠如しています。
<理由その5>
規制と信用の不確実性暗号資産は国家の信用(sovereign credit)に基づかない通貨です。政府が価値を保証する“法定通貨”ではなく、各国の規制方針によって市場全体が大きく変動します。実際、各国の金融庁やSEC(米証券取引委員会)は、暗号資産取引に対して証券性・詐欺性の疑いを繰り返し指摘しています。一つの法改正、一つの規制報道だけで市場全体が暴落するのは、裏を返せば「制度的基盤が存在しない証拠」です。
<理由その6>
税制上の不利(株式の2.5倍稼がないと同じ利益にならない)株式の売買益は分離課税20.315%(一律)ですが、暗号資産の利益は総合課税(最大55%)です。つまり、同じ手取りを得るには、暗号資産で株式の約2.5倍の利益を出さなければなりません。税制面から見ても、リスクに対する報酬構造が著しく非効率です。
<理由その7>
長期投資の根拠がない(価値を生み出さない資産)株式や不動産は、保有している間に「価値を生む資産(生産資産)」です。企業は利益を出し続け、不動産は家賃を生み出し、価値が積み重なります。暗号資産は保有しても何も生み出さない“非生産資産”です。ゴールドと異なり、現物としての利用価値もありません。つまり、保有するだけで価値が増す構造が存在しないため、長期投資のロジックが成り立たないのです。
結論:暗号資産は“金融資産”ではなく“心理ゲーム”である暗号資産市場には、
(1)利益の源泉がなく、
(2)価格を説明できる理論がなく、
(3)規制と信頼の基盤もなく、
(4)税制面でも極端に不利です。
つまり、投資として成立する三条件・・・「利益の裏付け」「価格の説明力」「長期的再現性」これらのいずれも満たしていません。暗号資産は「金融市場の擬似形態」であり、金融工学で分析可能な“投資”ではなく、社会心理学的な“集団幻想”なのです。長期投資で資産を築く目的は、「確実な再現性と複利の積み上げ」にあります。
それを叶えるのは、利益成長を基盤に持つ米国成長株への長期投資であり、不確実性しか存在しない暗号資産ではありません。あなたの大切な「未来の資産」は、説明できるものに託すべきです。“理由のある投資”こそが、唯一のリスクヘッジなのです。
暗号資産が“投資”と呼べない理由
ビットコイン、イーサリアム、リップル・・・。名前は聞いたことがある。SNSでもニュースでも「次世代の金融革命」と語られる。確かに、その響きは魅力的です。「銀行に預けても増えない時代、仮想通貨なら夢がある」そう思って口座を開いた人も多いでしょう。
しかし、ここに冷静な問いがあります。あなたが買っているその“コイン”は、何の利益を生んでいますか?どの企業や国家がその裏付けを保証していますか?なぜその価格が上がるのですか?答えられないとすれば、それは“投資”ではありません。投資とは、本来「価値の成長に参加すること」です。
企業が利益を出し、社会に貢献し、その一部を株主に還元する。株価が上がる理由は「利益が増えているから」。この因果関係が、投資を“学問として成立させている”のです。一方で暗号資産には、企業も利益も配当も存在しません。上がる理由はただ一つ。「誰かが、あなたより高い値段で買ってくれること」つまり、価値の裏付けがない“信仰”の取引。経済学ではこれを「バブル均衡」と呼びます。
上がるという信念が理由となり、その信念が崩れた瞬間に価格は暴落する。暗号資産が生んだのは“富”ではなく、“不確実性”です。一時的に成功したように見える人も、翌日には一瞬で資産を溶かす。それは「投資」ではなく、「心理戦」です。そして、勝つのは常にあなたより情報が早い人。暗号資産とは、合理的に勝てないゲームなのです。
「暗号資産」という幻想が壊れていく過程
暗号資産が持つ最大の問題は、“誰も価格を説明できない”という点です。株式にはPER(株価収益率)やROE(自己資本利益率)があります。不動産には賃料や利回りがあり、債券には金利と償還価値があります。これらの資産は「利益とリターンを数式で説明できる」のです。ところが暗号資産には、その数式が存在しません。
学術的にも、金融工学的にも、マクロ経済学的にも、ビットコインの“適正価格”を導けるモデルは一つもない。値動きを説明できる専門家はおらず、ニュースやSNSでは「○○が買った」「ETF承認が近い」など、後付けの感情論だけが飛び交います。つまり、価格の上昇も下落も、理屈ではなく“気分”で決まる。そのため、再現性が存在しません。
再現性のない利益は、偶然です。偶然に依存する行為は、ギャンブルです。しかも、取引所内部ではごく一部の“大口投資家(クジラ)”が市場を動かしています。流通量の60%以上が上位数%のアドレスに集中。その人たちが売れば価格は暴落し、買えば急騰する。さらに厄介なのは、規制のリスクです。
アメリカSEC(証券取引委員会)はたびたび「証券性の疑い」を指摘し、一つの声明で市場が20〜30%動く。日本も税制上、最大55%の総合課税。株式の分離課税(20.315%)に比べ、同じ利益でも2.5倍の利益を出さないと“手取り”が同じにならない。
つまり、暗号資産は「利益が出ても報われない構造」。リスクに対して、あまりに報酬が小さいのです。あなたの大切な資産は、ギャンブルのテーブルに乗せるものではありません。未来の人生を支える“根拠ある構造”に置くべきです。
米国成長株という王道
長期的に資産を築くとは、「理由のある上昇に賭ける」ことです。その理由を最も明確に説明できるのが、米国成長株です。米国の成長企業は、利益を生み、配当を生み、雇用を生み、実際に世界を動かしています。
つまり、「株価が上がる理由」が存在するのです。NVIDIAを例に挙げましょう。AIの爆発的普及で、半導体需要が拡大し、2020年〜2024年のわずか4年間だけでも、売上高は約5倍、営業利益は約10倍に膨張。これに連動して株価も同じように上昇しました。これは信仰ではなく、数学的な結果です。
さらに米国株は、複利が働く構造を持っています。年間20〜38%の成長率を維持できれば、3,000万円が10年で3億円を超えるのも単なる算数です。暗号資産のように“誰かが買うかもしれない”に賭けるのではなく、“企業が利益を伸ばす限り必ず増える”という論理に賭ける。それが、再現性のある投資です。
そんな中、「北の株式投資大学」では、この再現性を誰でも理解・実践できるよう体系化しています。財務諸表の読み方、成長株の見つけ方、買い時と売り時の判断・・・。すべてを数値化し、「感情に頼らない投資」を教えています。根拠のある投資だけが、人生を守る盾になる。そして、長期複利だけが、時間を味方に変えるのです。
「未来の資産」は説明できる場所に置け
いま、金融市場は“幻想”と“現実”に分かれています。幻想は、暗号資産のように“何となく儲かりそう”と感じる世界。現実は、利益・配当・成長という“数字で説明できる”世界。どちらに資産を置くかが、5年〜10年後のあなたの人生を決めます。暗号資産を追いかける人たちは、夜中にチャートを見て眠れず、ニュース一つで資産が半減し、次の波を探してまた投げ込む。
それは「資産運用」ではなく、「感情運用」です。一方で、「北の株式投資大学」の門を叩いた人たちは、利益を生み続ける企業に自分の資産を託し、静かに、着実に資産を育てています。彼らはチャートではなく、決算書を読む。そして「株価」ではなく、「企業の成長」を見ている。
あなたの資産はギャンブル台に置くものではありません。それは“未来を買うための道具”です。今からでも遅くありません。暗号資産という幻想から一歩離れ、数字で説明できる未来を学んでください。「北の株式投資大学」では、
・成長株投資の基本理論
・企業分析のフレームワーク
・複利の設計法
・長期投資の再現シミュレーション
を、体系的に学べます。不確実な市場ではなく、確率の高い未来に資産を置く。それが、本当の“リスクヘッジ”です。あなたの未来の資産は、説明できる場所に置いてください。そして、その方法を今すぐ「北の株式投資大学」で学んでください。→ https://m.kitasociety.com/k-univ (次回の「オフ講義」は10月26日(日)14時〜東京です!)