左手の位置を、拳ひとつ分だけ直されました
夕方の、道場でした。中学の頃の話です。剣道部で、毎日素振りをしていました。家に、教本が一冊ありました。写真と同じ形になるように、竹刀を振っていました。それでも、対人の稽古になると決まりません。打ってはいるのに、一本にならない。振る本数が足りないのだと思って、数を増やしました。
一日に、千本振った日もあります。手の皮が剥けて、竹刀の柄が少し色を変えました。それでも、稽古では、やはり決まりませんでした。列に戻る途中で、自分には向いていないのだ、と思いました。中学生の結論としては、それが一番自然でした。
ある日、先生が後ろに立ちました。何も言わずに、振り下ろした僕の左手を、拳ひとつ分だけ体の真ん中へ戻しました。それだけです。次の一本で、竹刀の落ちる音が変わりました。自分でも、何が起きたのか分かりませんでした。振り方を変えたつもりはありません。変えられたのは、左手の位置だけです。
その日から、打ちが決まるようになりました。向いていなかったわけでは、なかったのです。教本には、左手は体の中心を通す、と書いてありました。読んでいました。意味も、分かっていました。それでも、自分の左手が中心から外れていることには、気づけませんでした。知識が足りなかったのではありません。やる気が足りなかったのでもありません。
足りなかったのは、自分を外から見る目でした。そして、それだけは、自分ではどうにもならないものでした。今は、たいていのことが画面の中で学べます。YouTube動画があります。手順書もあります。分からなければ、その場で質問もできます。実際、僕もそうやって覚えたことがいくつもあります。
うちの会社の仕事も、半分以上は画面の中で覚えたものです。移動もせず、時間も選ばず、必要なときに必要なところだけ見られる。こんなにありがたいことはありません。ただ、それでも後ろに立ってもらわないと直らないものが、いくつか残っています。自分のずれに、自分では気づけない種類のものです。ずれていることが分かっていれば、人は自分で直します。
厄介なのは、ずれていることに気づけない場合です。その状態で本数を重ねても、ずれたまま形になっていきます。これが、一番こわいところです。下手なままなら、まだ気づけます。ずれたまま身についてしまうと、直すのにもっと時間がかかります。あの日の道場で起きたのは、そういうことでした。
画面の向こうの手順は、少しだけ違いました
去年のことです。AIの設定で、半日を溶かしたことがあります。手順書は目の前にありました。書いてある通りに進めていきました。ところが、三つ目の段階で、自分の画面にはそのボタンがありません。プランが違うのか?版が違うのか?どこかの許可を、先に通しておく必要があるのか?調べます。出てきた記事は、半年前のものでした。書いた方を責める気にはなりません。
半年あれば、この世界の画面は一度は変わります。画面の作りが、もう変わっています。結局、その日は何も進みませんでした。夜になって、明日やろう、と思いました。その明日が、なかなか来ませんでした。一週間が過ぎ、二週間が過ぎました。気がつくと、そのことを思い出さなくなっていました。やめたつもりはありません。
ただ、予定表から静かに消えていました。止まったことに気づかないまま、月が変わる。これが、一番よくある形です。ケイタ式に取り組まれている方にも、同じことが起きています。商品を見る目は、できあがっています。仕入れ先も、分かっています。出品の手も、動きます。何年もやってこられた方です。判断の速さも、数をこなす体力も、すでに身についています。
それでも、AIに渡す段になると、止まります。どのAIを使うか?どのプランにするか?何を、どこまで許可するか?他の道具とのつなぎ方をどうするか?画面の向こうから手順を説明されても、ご自分の画面は少しだけ違います。その少しが、越えられません。説明している側に、落ち度はありません。その画面では、確かにその通りに動きます。
ただ、こちらの画面はこちらのものです。契約している中身も、入れてある道具も、これまでの設定も、一人ずつ違います。そこで止まったまま、次の月が来てしまいます。確かに、調べれば出てきます。時間をかければ、いつかは分かります。けれども、会社に勤めながら取り組んでいる方に、その時間はありません。夜の二時間しかないところに、半日かかる調べものが入ってきます。入りません。
だから、後回しになります。そして、後回しにしたものは、たいてい戻ってきません。やる気の問題ではないのです。二時間という枠に、半日の作業はどうやっても入らない。それだけの話でした。鏡の前で形を真似ても、左手が拳ひとつ分ずれている。ずれていることに気づけないまま、千本振っている。あのときと、同じことが起きていました。
午前は講義、午後は一人ずつ
だから、形を変えたそうです。「ケイタ式OJT年間プログラム2026」は、画面の中ではなく、オフの世界で行われます。東京の、ある会議室です。月に一度、集まります。一回が、8時間。それを、12回。2026年の9月から、2027年の8月までです。
午前が、講義です。13時から先は、個別の作業と、個別の相談に変わります。代理の講師は立てません。8時間×12回、すべてをケイタ社長ご本人が見ます。だから、10名です。人数を増やせば、前に立って資料で一斉に説明する形になります。それでは、画面の向こうから説明されるのと同じことになります。
AIの設定は、一人ひとり画面が違います。だから、一人ひとり見るしかない。そういう理屈です。午後の会議室は、たぶん静かだと思います。前で誰かが話しているのではなく、十人がそれぞれの画面に向かっている。そこを、一人が順番に回っていく。部活の練習と、同じ形です。
毎回、その月のテーマに沿ったAIへの指示書を一本ずつ作って、持って帰ります。12回で、12本になります。中でも、第2回だけは使い方が特殊です。この回、AIには作業をさせません。AIに、自分を取材させます。「なぜ、この商品を選んだのか?」「なぜ、これは外したのか?」質問攻めにさせて、自分でも気づいていなかった基準を、外に出させます。その言葉が、そのまま第3回の材料になります。
後ろに立つ人がやっているのは、本来これです。教えることよりも、本人が分かっていないことを言い当てること。自分の基準は、自分がいちばん説明できません。長くやっている人ほど、言葉になっていない部分が増えていきます。進み方は、従来の2倍ゆっくりだそうです。「遅いし、ゆっくりです」はじめに、そう断っています。
速く進みたい方は、6ヶ月のオンライン講座のほうへ、と。誰一人落ちこぼれ化させない。そのための速さです。速い人には合わせません。止まっている人に合わせます。第一期生から第七期生まで、これまでに100名以上が取り組まれてきました。
オーストラリアにお住まいの専業主夫の方が、月商3,000万。東京の方が、1,200万。北海道のご夫婦が、600万。九州のご夫婦が、500万。僕のYouTubeを編集してくれている北海道の主婦の方は、半年で月商500万、一年半で1,600万に届きました。大学4年生で入ったマカロン君は、四年後、26歳で月商3,000万です。
9月21日(月)敬老の日です
後ろに立ってもらうと、直ります。結局のところ、今日お伝えしたいのはそれだけです。あの道場に三年通えたのは、才能があったからではありません。後ろに、人がいたからです。一人で素振りをしていただけなら、たぶん一年でやめていました。ケイタ社長は、テニス部だったと伺いました。競技は違います。
それでも、壁に向かって打っているだけでは上手くならないところは、同じだと思います。ピアノを続けた子と、やめてしまった子の違いも、たいてい才能ではありません。週に一度、先生の前に座る日があったかどうかです。その日があると、一週間がそこに向かって形を持ちます。なかった人は、どこで止まったのかも分からないまま、なんとなく離れていきます。
才能の差が出るのは、もっと先の話です。その手前で、ほとんどの人が離れていきます。離れる理由は、たいてい同じです。誰にも見られていなかった。それだけです。条件は、正直にお伝えします。毎月、東京に来られることが前提になります。開催は、土日が中心です。毎月休まず受講できる方だけが参加できます。
10名です。定員に達した時点で、締め切ります。「今回は見送って、来年」それができない形になっています。毎年開かれるものではないからです。ケイタ社長が一年間、月に一度を空けるという形は、そう何度も作れるものではありません。
第1回は、9月21日(月)敬老の日です。目的設定と、環境整備と、AIの土台作り。目的、数値の目標、使える時間と予算、今いる場所、扱うジャンル。それを一枚のシートにして、持って帰るところから始まります。その一枚の上に、残り11回の指示書が積み上がっていきます。
一年後には、12本になります。買ってきた道具ではありません。ご自分の判断を、ご自分の言葉で書き出したものです。だから、卒業したあともそのまま使えます。もちろん、成果をお約束するものではありません。向き不向きもあります。ですので、まずは説明をご覧になってください。ご覧になったうえで、自分には合わないと思われたなら、それで結構です。合わないものを一年続けられるほど、時間は残っていません。
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あの日、左手を直してくれた先生は、何も言いませんでした。ただ、後ろに立っていただけです。それで、当たるようになりました。人生を動かすのは、今、この瞬間です。