AIを仕事で使うのに、本当に必要なものは何でしょうか?

AIを仕事で使うには、何が必要だと思われますか?たいていの方が、プログラミングだと答えます。理系の素養。英語。最低でも、パソコンに詳しくないと話にならない。だから、自分には関係がない。そう思っておられる方が、とても多いのです。ところが、実際に必要なものは2つだけでした。

自分の仕事を言葉にできる力。そして、正しい問いを立てる力。この2つです。技術力は、要りません。なぜそうなるのか?AIに渡すものを、1つずつ挙げてみます。指示を出す。これは、言葉です。自分の判断基準を教える。これも、言葉です。仕事の手順を覚えさせる。やってはいけないことの線を引く。どちらも、言葉です。

よく使う仕事を「型」にして、棚に置いておく。その型を、名前で呼び出す。ここまで全部、言葉でやります。最初から最後まで、1つも例外がありません。つまり、AIを育てるというのは、言語を組み立てる作業そのものなのです。ここが、今日いちばんお伝えしたいところです。

そして、ここからが本題になります。この事実は、あなたにとってかなり都合がいい話です。理由を、3つ挙げます。1つ目。覚え直しが、要りません。言葉は、毎日使っています。商談でも、社内の説明でも、メールでも。新しく習得するものではないのです。すでに手元にあるもので、そのまま始められます。

2つ目。道具が変わっても、言葉は残ります。AIは、毎月のように入れ替わります。今月覚えた名前が、半年後には別の名前になっている。技術を追いかけている方は、そのたびにゼロからやり直しです。ところが、自分の仕事を書いた文章は、そのまま次の道具に移せます。

この9月に、決定的なことが起きました。主要な3社のAIが、同じ形で「型」を読むようになったのです。ファイルを1つ持っていれば、どこへでも持っていけます。3つ目。これがいちばん大きい。言葉は、積み上がります。一度書いたものは、消えません。翌朝も、そのまま残っています。

昨日書いた言葉の上に、今日の言葉を積む。積んだぶんだけ、返ってくるものが良くなっていきます。検索とは、まるで違います。検索は、昨日の質問を覚えていません。毎回ゼロからです。言葉で育てたAIは、毎日賢くなります。複利です。1年、2年と続けた人と、毎回プロンプトを貼っている人。その差は、取り返しがつかない規模になっていきます。

AI自身は、僕をどう評価したのでしょうか?

その「AI経営本部」を、AI自身に評価させてみたことがあります。外から見て、どう映っているのか?それを知りたかったのです。返ってきた言葉が、これでした。「言語化力が高い人間が、AIを最も使いこなせる。」そして、こう続きました。技術的な知識があっても、そこで止まる人が多い。

理由は、自分のビジネスに組み込む設計力がないからだ、と。読んだとき、背中が少し熱くなりました。20年やってきたことを、はじめて言い当てられた気がしました。こちらが教えたわけでもないのに、です。こちらの手口を、外から見抜かれた形でした。僕は2004年から、20年以上文章を書いてきました。

年間1億円以上の売上を、20年間、文章だけで作り続けてきました。景気のいい年も、悪い年もありました。それでも、止めずに書いてきました。その力が、ここで全部つながったのです。言い換えれば、こういうことです。技術を覚えた人が強いのではない。自分の仕事を言葉にできる人が強い。20年書いてきたことが、そのまま使えたわけです。

別の技を覚え直す必要は、ありませんでした。そして、これは僕だけの話ではありません。20年、30年と働いてきた方は、同じものを持っておられます。お客様との約束の守り方。値段の決め方。ここは譲れない、という線。お客様が黙ったときに、何を考えているのか?そういう勘所も、含まれます。それを言葉にできれば、AIは動きます。

ここで、はっきりさせておきたいことがあります。差がつくのは、年齢ではありません。僕自身、20代のころから書いてきました。若いから持っていない、という話ではないのです。分かれるのは、自分の判断を言葉にしてあるかどうかです。その1点だけ。何十年やっていても、頭の中に入れたままなら、渡せません。

逆に、始めて3年でも、自分の基準を書き出してある方は、そのまま渡せます。そこだけが、分かれ目でした。ここで、1つ補足させてください。文章がうまい必要は、ありません。賞を取るような文章を書けという話ではないのです。必要なのは、自分が普段やっていることを、そのまま言葉にすること。それだけです。朝、部下に指示を出すときのあの言い方で構いません。

むしろ、飾らないほうがよく伝わります。相手は人ではないので、気をつかう必要もありません。遠慮のない言い方のほうが、かえって正確に伝わります。

48時間で、具体的に何を書いたのでしょうか?

その48時間で、僕が実際に何を書いたのか?そこを、具体的にお話しします。まず、最初から確信していたことが1つあります。これは言語で行ける、ということです。AIを触った初日から、そう思っていました。指示がうまく伝わらないのは、AIの性能のせいではありません。こちらの言葉が足りていないだけです。

だったら、言葉のほうを徹底的に作り込めばいい。そこから先は、迷いませんでした。やることは、はっきりしていました。伝わらないなら、伝わるまで言葉を作り足す。それだけです。20年間やってきたビジネスを、AIに丸ごと理解させる。そのために、言語のスキルをとことん組み上げていきました。

書いたのは、こういうものです。自分が何を大事にして、何を避けてきたのか?どういう順番で判断してきたのか?使わない言葉。やってはいけないこと。20年分の失敗から学んだこと。お客様が黙ったときに、何を考えているのか?値段を決めるときに、何を最後の物差しにしているのか?

そういう勘所も、言葉にしました。全部、文章で渡しました。箇条書きです。きれいな文章である必要はありません。書けば書くほど、返ってくるものが変わっていきました。言葉を足したぶんだけ、精度が上がる。その手応えが、はっきりありました。性能の差ではなく、渡した言葉の量の差でした。同じAIを使っていても、出てくるものが変わります。

そして、書き出してみると、自分でも気づいていなかった基準が、いくつも出てきました。20年やってきたのに、言葉にしたのは初めてでした。頭の中にあるうちは、誰にも渡せません。AIにも、人にも、です。一度言葉にしたものは、消えません。翌朝も、そのまま残っています。

ここが、検索とのいちばんの違いです。検索は、昨日の質問を覚えていません。渡した文章は、積み上がっていきます。毎日使うほど、賢くなっていきます。昨日の自分が渡した言葉の上に、今日の自分が次の言葉を積む。48時間は、その積み重ねでした。

大きな決断をした記憶は、ありません。文字を書いただけです。それで、全部がうまく回り始めました。いまも、毎朝6時から動いています。止まった日は、1日もありません。

10月3日(土)21時、10月4日(日)10時に開催します

『レベルファイブAI経営マスタリー』の説明会を兼ねたセミナーを、2日続けて開きます。10月3日と4日に開く『レベルファイブAI経営マスタリー』の説明会で、お話しするのは道具の使い方ではありません。言語の組み立て方です。自分の仕事を、どうやって文章にするのか?その文章を、どこに置いて、どう呼び出すのか?そこを、実際の画面でお見せします。

きれいにまとめた話ではありません。受講生が詰まった場所と、そこをどう抜けたかです。詰まる場所は、だいたい同じでした。先に知っておくと、そのぶん早く進めます。受講生の年代は、50代と40代で約7割です。もともとパソコンが得意な方たちではありません。

黒い画面を1度も触ったことがなかった方が、合宿後に、自分のホームページを公開しています。コードではなく、文章で組み立てたからです。書けるものを、書いただけです。できないことは、やっていません。もしもまだ、AIは理系のものだと思っていらっしゃるなら、1度のぞいてみてください。文系も理系も、年齢も関係ありません。

書類を書き、段取りを組み、判断を下してきた。その積み重ねが、そのまま武器になります。頭の中に眠らせておくには、もったいない量です。最後に、1つだけお伝えします。この講座を始めたのは、今年の4月です。9月で、半年が経ちました。始めた時期の差が、そのまま結果の差になっています。

AIは、週単位で進んでいきます。待っていた期間のぶんだけ、経験は積み上がりません。ただ、最初の一歩は小さくて構いません。僕の48時間も、ひどい指示を1つ打ち込むところから始まりました。次の半年を、どちら側で過ごしますか?もしもまだ、自分の判断を言葉にしていないとしたら、1度のぞいてみてください。持っているものを、そのまま使うだけです。土曜の夜か、日曜の朝に。画面の向こうで、お会いしましょう。

『レベルファイブAI経営マスタリー』説明会を兼ねたセミナー
10月3日(土)21時〜
10月4日(日)10時〜
※両日とも同じ内容です◆お申し込みはこちらから→https://m.kitasociety.com/261003-04