僕は22歳を迎え、大学を卒業してすぐにサラリーマンとしての生活が始まりました。初めて社会に出たばかりの僕は、不安と共に期待も抱いていました。就職活動で選び抜いた会社に入社し、自分のキャリアがここから始まるのだと胸を高鳴らせたのを今でも覚えています。

「目指せ部長!」新人研修では、社会人としてのマナーやスキルを学び、これからの自分の成長にワクワクしていました。これが大人の世界なんだ、と思いながら、一歩一歩前進していこうと決意を固めていたのです。

しかし、その夢見た未来は、日を追うごとに少しずつ色あせていきました。現実は、思っていた以上に厳しいものでした。毎朝早く起き、まだ寝ぼけている体を無理やり起こして、出社準備をします。どんなに疲れていても、どんなに気が乗らなくても、時間通りに家を出なければならない。遅刻は許されないというプレッシャーの中で、心はいつも緊張状態にありました。

駅に向かう道中、朝焼けが美しい日もあれば、暗雲が立ち込める日もあります。しかし、どんな天気でも、同じ道を辿り、同じ時間に会社に向かわなければなりませんでした。駅に着くと、待っているのは混雑したホームと、満員電車です。

電車のドアが開いた瞬間、溢れんばかりの人々に押し込まれ、身動きが取れないまま目的地に運ばれていきます。他人との距離感など考える余地もなく、無理やり詰め込まれた空間の中で、心の中に蓄積されるストレスは増すばかりでした。それでも、電車の中で耳にする音楽や、本の一節を読むことで、なんとか気持ちを保ちながら一日の始まりを迎えるのです。

会社に着くと、タイムカードを押し、いよいよ業務が始まります。オフィスに閉じ込められた僕たちは、与えられたタスクをただこなすだけの日々が続きます。最初のうちは、新しいことを学ぶ喜びや、仕事を通じて成長している実感がありました。

しかし、次第にその感覚は薄れていきます。毎日同じような作業の繰り返しで、クリエイティビティを発揮する余地もなく、ただ目の前の業務に追われる日々。時には、上司からの無理な要求や、理不尽な指示にも従わざるを得ない場面もありました。

どれだけ努力しても、その努力が正当に評価されるわけではないという現実に直面し、心の中には次第に疲れが溜まっていきました。

そして、ある日ふと気がついたのです。このままの生活が、何十年も続くのかと。朝早く起き、満員電車に揺られ、オフィスで10時間以上拘束される毎日。それが、定年退職を迎えるまでの約40年以上も続くのだと思うと、目の前が真っ暗になりました。

若い頃は、自分の夢を追いかけ、希望に満ちた未来を信じていました。しかし、現実は僕を次第に飲み込んでいき、夢を追いかける気力さえも奪い取っていくように感じました。

突然はじまった、大量リストラ

それは突然の出来事でした。会社が業績不振に陥ったことがキッカケで、取引銀行から来た役員が、会社の代表取締役社長になりました。つまり、銀行マンがCEOを務める企業になったのです。

それまでのオーナー一族経営の社風から一点。株主からみれば、真っ当な会社経営になったことになりますが。内部の現場にとっては、大きな変革が続きます。大量のリストラが実施されたのです。社内は一瞬にして凍りつき、誰もが自分の運命を案じました。

リストラの対象は全社員の3分の1にまで及び、その厳しい現実が僕たちの前に突きつけられました。特にショックだったのは、僕の直属の上司たちがリストラの対象になったことでした。彼らは、長年に及び真面目に、そして誠実に仕事に取り組んでいた人たちです。

毎日遅くまで残業し、会社を、組織を、チームを支えるために全力を尽くしていました。僕もその姿を見て、彼らを尊敬し、自分も彼のように会社で活躍できるようになりたいと考えていました。しかし、そんな彼らでさえも、このリストラの波に飲み込まれてしまったのです。

この出来事は、僕に深い衝撃を与えました。頑張って働いても、努力が報われるとは限らない。会社に尽くしても、いざという時に守られる保証はない。自分の未来が、自分の手の届かないところで決まってしまう、その無力感に打ちのめされました。

まるで、自分の人生の舵を他人に握られているかのような感覚でした。この経験を通じて、僕は一つの結論に達しました。それは、自分の人生を他人に委ねるのではなく、自分でコントロールする必要があるということです。

会社に依存する生活から脱却し、自分の力で生き抜くための道を見つけなければならないと強く感じました。この瞬間、僕は起業・独立に向けた準備を整える決意を固めたのです。

簡単ではないけど挑戦する意味と価値のあること

書籍やセミナー等を通して、会社経営で成功されている社長さんたちのお話を聞くに連れ。起業は簡単な道ではないことを理解しはじめました。しかし、それでも自分でリスクを取り、自分の決断で未来を切り開いていく方が、ずっと価値があると考えたのです。

会社の決定に振り回されるのではなく、自分の判断で自分の道を進む。そのために、今までの経験やスキルを活かし、さらに新しい知識やネットワークを構築していくことに注力しました。その後の僕は、副業や投資を始め、経済的な自立を目指して動き出しました。

会社に頼らない収入源を築き、少しずつ自分のリスク耐性を高めていきたいと考えたのです。そして、いつか完全に自立し、自分のビジネスを持つことを目標にしました。もしまた会社でリストラが起きたとしても、もう自分は怯えることはない。

自分の人生を、自分で守る力を持つことさえできれば・・・。この決意が、僕の新たなスタートを切るきっかけとなったのです。

社内で発生した大量リストラという苦い経験は、確かに辛いものでしたが、それがなければ僕はこの決断をすることはなかったかもしれません。今では、この決断が僕の人生をより自由に、そして豊かにしてくれるキッカケになったのだと、改めて実感しています。

「二足のわらじ」生活に挑戦しましょう!

僕は自分の人生を変えるために、副業と投資に挑戦することを決意しました。最初は何から始めたら良いのかわからず、不安でいっぱいでした。しかし、ネットで調べたり、書籍を読んだり、既に外の世界で活躍している社長さんの開催するセミナーを受講したり。知識をつけていきました。

最初に副業として選んだのは、「営業&マーケティング」というサラリーマンとしての自分のスキルを活かせるものでした。週末や夜の時間を使って取り組むことで、少しずつ収入を得られるようになりました。

初めて自分の力で稼いだお金は、僕にとって大きな自信となりました。会社に頼らず、自分の手で未来を切り開いていけるという感覚は、言葉にできないほどの喜びでした。その後も、副業を続けていくうちに、その収入が徐々に増えていき、会社の給料に依存しなくても生活が成り立つようになってきたのです。

さらに、勤務している会社での海外転勤になった後で、インターネットを活用したビジネスを開始することで、副収入が更に加速しました。これによって、会社でのストレスが軽減され、心に余裕が生まれました。

会社から、上司からの理不尽な指示や、無理な要求に対しても、以前のように耐え忍ぶ必要がなくなったのです。なぜなら、もし会社が自分に合わないのであれば、いつでも辞めて別の道を歩めるという選択肢が生まれたからです。

さらに、投資にも挑戦しました。最初はリスクが怖くて、なかなか一歩を踏み出せませんでしたが、少しずつ勉強し、リスクを理解することで、始めることができました。投資は、まさにお金が自分の代わりに働いてくれるという感覚です。

定期的な収入とは別に、資産が増えていくのを実感できるのは、大きな安心感と満足感をもたらしてくれました。その後・・・投資の方では、大きな失敗も経験し。一度は積み上げた、◯億円もの資金を、失ってしまう経験もしてしまいましたが。副業と投資のおかげで、かつての僕は会社の仕事に依存しない生き方ができるようになりました。

副業で稼げるようになってからも、サラリーマンとしての仕事にも従事していましたが、かつてとはまったく異なる感覚でした。サラリーマンとして仕事をするのは、生活のためだけではなく、自分のスキルを磨き続けるための一環として捉えるようになりました。

そして、会社の外でも、自分の力で稼ぐ手段を持っていることで、より多くの選択肢が広がりました。依存しない生き方ができるようになりました。会社に縛られず、精神的に自分のペースで生きることができるというのは、何にも代え難い自由です。

もし、あなたが今、サラリーマンとしての生活に息苦しさを感じているのなら、副業や投資を通じて新たな道を切り開いてみてください。かつて、サラリーマンと副業の「2足のわらじ」生活を、約12年間続けてきた僕の体験から言えることは、それがどれだけの解放感をもたらしてくれるかということです。

自分の人生を自分でコントロールできるようになることで、毎日がもっと楽しく、希望に満ちたものになると思います。サラリーマンとしての活動をしている場合、是非、副業と投資による、「二足のわらじ」生活に挑戦してみてくださいね!