「本当に、60歳を過ぎると再就職は見つからないものですよ・・・。」65歳を目前に控えたAさんが、個別面談でそうお話しくださいました。サラリーマン時代には、それなりの年収を得ながら、リストラの波にも飲まれず、無事に定年退職まで勤め上げたAさん。

しかし、その先に待っていたのは、厳しい現実でした。退職金は思ったより早く目減りし、気づけば生活費が底をつき、再び働かなければならない状況に追い込まれてしまったのです。求職活動をしても、なかなか見つからない仕事。面接で「採用するなら若い人を採用したい」と、遠回しに断られることもしばしば。Aさんの無念さが痛いほど伝わってきました。

実収入がないために「生活保護」の申請を試みようとしましたが、生活費を補填するために解約した保険の解約金が「収入」としてカウントされ、基準を満たせず申請が通らないとのこと。生活費が完全にゼロの状態が続いてからでないと申請が難しい、というのでは「そもそも生きていけない」という矛盾に突き当たるばかりです。

さらに、弁護士のアドバイスを受けて行ったクレジットカードの「過払い金請求」。しかし、その結果、クレジットカードをすべて失い、今後10年間は新しいカードも作れなくなってしまいました。「どうしようもないところまで追い詰められてしまった」というAさんの言葉に、ZOOMの画面越しにも切実な思いがにじみ出ていました。

「孔明さん、何かアドバイスをいただけませんか・・・?」正直、僕にも答えが見つかりませんでした。Aさんの状況に、かけるべき適切な言葉が見当たらず、ただ「就職先が見つかることを祈っています」としかお伝えできませんでした。自分の無力さが身にしみて痛感される瞬間でした。

資金がなければチャンスも消える「起業の現実」

世の中には、なんとも皮肉で不合理な現実が存在します。収入も貯金も底をつき、本当にお金がなくなってしまうと、選択肢は「再就職して給料をもらう」ことだけに限られてしまうのです。例えば、何か新しいビジネスを起業しようと思っても、手元にある程度の貯金がない状態では何をやろうとしても、どうにもならないのです。

たとえば、再現性の高い物販ビジネスでさえ、最初の商品を仕入れて販売するための資金がなければ、プラットフォームにアカウントを持つことすら難しくなります。やり方を学びたいと思っても、受講費用が捻出できなければ、ノウハウを得る機会すら手に入らないでしょう。

「銀行融資で資金を調達する」という方法も、残念ながら、貯金がまったくない人には道が開かれていないのが現実です。「新規創業融資制度」を利用しようとしても、貯金がなければ銀行はまず融資をしてくれません。このように考えると、「起業」という手段は、完全に無一文の状態では到底挑戦できないものだと痛感させられます。

起業は、少なくとも家族合計で200万、300万の貯金があり、次のステージへと進む準備ができている人にのみ開かれた扉なのです。そして、その貯金を得るためにも、サラリーマンとして毎月の安定収入があるうちにしっかり貯めておく必要があります。もしも定年退職を迎えた後やリストラで突然職を失い、貯金がないまま放り出されてしまうと、何ひとつ挑戦する余地はなく、残された手段は「再就職」のみとなるのです。

このような厳しい現実を避けるためにも、サラリーマンとしての収入が安定しているうちに、生活費から余ったお金を再投資し、少しずつでもビジネスを起ち上げ、収益が上がり続けるように基盤を整えておくことが大切です。

サラリーマンであるからこそ、毎月の給料があるうちに独立後の準備を進め、想定しておくことが求められます。これは現役サラリーマン時代、会社の中でどれだけ活躍していても、定年退職やリストラという終わりが避けられないサラリーマンにとって、「選択肢」ではなく、むしろ「必須事項」と言えるかもしれません。

冒頭でお話ししたAさんも、サラリーマン時代にはリストラされることなく、最後まで勤め上げられた立派な方と言えます。しかし、今こうして「再就職もままならず、生活保護にも頼れない」という状況に陥ってしまっています。これは、誰にとっても他人事ではないのです。

売上・利益規模が拡大しても負担が少ない「物販」

現役サラリーマンにとって、副業としてビジネスを始める際、どのようなビジネスモデルを選ぶかは非常に重要です。たとえば、30代や40代の若い時期であれば、気力や体力も充実しているので、多少労力がかかる方法でも乗り切れるかもしれません。流行の商品を探し回り、メルカリなどで転売する方法も、体力があるうちは商品調達に、市中を駆けずり回ることも可能かもしれません。

しかし、こうした「積み上げがない」ビジネスモデルを選ぶと、自分が動けるうちは稼げても、健康を損なったり体力が尽きたりした時点で収入が止まってしまいます。やはり、動き回らず、労働量も抑えつつ、一度取り組んだことが継続的に積み上がっていくようなビジネスモデルを選ぶことが、長期的な視点から見て賢明です。

この点で、「ロイ式」「ケイタ式」の2種類の物販のビジネスモデルは非常に優れています。実際、孔明弟も、月収20万円の酪農業に10年従事し、その後リウマチを患ってしまいました。40歳を迎えた頃には、外に出て長時間働くのが難しくなっていました。今では「ロイ式」と「ケイタ式」両方のビジネスを行うことで、在宅ワークのまま、無理なく収益を得られる生活を手に入れたのです。

例えば、国内仕入・国内販売の「ロイ式」では、1〜2ヶ月に一度、見本市や商談会に出向いて商品をソーシングしたり、取引交渉を行う必要はありますが、それ以外の日々は、毎日1、2時間ほど自宅のパソコンで簡単な作業をするだけで売上と利益が立ち続けます。

また、メーカーや卸売問屋がAmazonの倉庫や外部の倉庫に商品を納品してくれるため、注文後の発送業務はすべて外部の人が担ってくれます。つまり、商品に直接触れることもなければ、梱包や発送作業を自分で行う必要もないのです。今では「ロイ式」で、月商1,000万水準で稼ぎ続けていますが、こうして売上や利益が拡大しても、実際に自分の負担が増えることはほとんどありません。

増えるのは、メーカーや卸売問屋に追加注文を送るメールの数が少し増えるくらいです。それでいて、月商1,000万円規模のビジネスが成立するのですから、「ロイ式」は体力的な不安がある方にとっても理想的なビジネスモデルといえるでしょう。この部分は国内仕入・海外販売の「ケイタ式」も同じです。

資金に余裕がある今こそ、未来のための準備を

どんなビジネスで起業するかを決める際には、年齢や体力、そして長く続けられるかどうかを考慮することが大切です。若い頃ならば、気力や体力を活かして多少の苦労にも耐えられるかもしれません。

しかし、行列に並んだり、マツキヨやブックオフを渡り歩いたりの転売ヤー。こうした一時的な方法では、動ける間は稼げても、体調を崩したり働けなくなった時に収入が途絶えてしまいます。そこで、年齢を重ねても無理なく取り組める、労働が蓄積されていくビジネスモデルを選ぶことが重要になります。

30代や40代のうちは元気に働けても、50代、60代と年齢が進むにつれ、働き方を見直す必要が出てくるからです。その点、「ケイタ式」と「ロイ式」は最適な選択肢と言えるでしょう。年齢が増加するために、体力を酷使する仕事にはもう耐えられませんが、「ケイタ式」と「ロイ式」ならば、無理なく取り組むことができています。

外注化が非常に簡単で、「単純労働ゼロ化」を目指して、追加発注、商品登録、お客様対応などの作業をすべてスタッフに任せることができるもの。これが完了すれば、自分の仕事はスタッフからの相談に応じたり画面を管理するだけとなり、1日1時間程度に圧縮できます。

実際、「ケイタ式」と「ロイ式」も、上手に稼げている方々は、毎日たった1時間の作業で、億単位の売上と数千万円の利益を維持しています。どちらも、60代以降でも無理なく続けられる生涯のビジネスモデルとしても理想的です。とはいえ、どちらもビジネスなわけですから、スタート時の資金として100万~300万円程度を持っておく必要があります。

資金があれば、「銀行融資でお金を創る」体制を整えることも可能です。この条件をクリアできれば、学びながら再現させて、その後に軌道に乗せた後、安定してビジネスを加速させられるのですが、逆に資金がないと何も始められません。だからこそ、サラリーマンとしての毎月の収入や、預貯金があるうちに「起業」する。

「ケイタ式」や「ロイ式」のようなビジネスモデルを学びながら始めることが重要です。サラリーマンとしての収入がある今だからこそ、早めに想定と準備を始めるべきでしょう。老後になってから、資金が底を突いてからでは、再就職もできず、僅かな資金さえ獲得できずに、手遅れになりかねませんからね。