僕たちのような“ほぼ一人社長”がスモールビジネスを営むとき、どれほど情熱を込め、どれほど努力を積み重ねても、現実的に避けられない壁が存在します。それが、「利益率の限界」という構造的問題です。物販であれ、サービス提供であれ、情報販売であれ、売上が積み上がるほど、

・仕入れ
・広告
・外注
・在庫
・人件費
・サーバー費用
・配送費

といったコストが増加し、経常利益を10%以上残すことは至難の業になります。実際、経常利益が10%を超える会社は、中小企業全体のなかで極めて少数です。さらに、利益が出たとしても、法人税という“構造的な負担”が存在します。法人税は、利益が

・800万円以下:20%前後
・800万円以上:30%前後

といった負担構造になります。努力して利益を出しても、その相当部分は税金として消えてしまう。これは避けられない現実です。つまり、小規模ビジネスは努力で成長できても、構造的に利益が伸びづらいという欠点が存在します。では、そのうえで「余剰資金、滞留資金をどう扱うべきか?」という問いが生まれます。

・ビジネスに再投資するべきか?
・新規事業を立ち上げるべきか?
・長期的な視点で別の器を育てるべきか?

この問いこそ、一人社長にとって最も重要な“資本の使い方”の問題になります。“資金をどの時間軸で扱うか?”という考え方。
短期で使うのか?
中期で増やすのか?
長期で育てるのか?
資金の扱い方は、時間の設計そのものです。

スモールビジネスが抱える「努力では超えられない壁」

スモールビジネスは、情熱と努力さえあれば立ち上げられます。しかし、成長させる段階に入ると、必ず「構造的天井」にぶつかります。その理由を明確に整理すると、次の3つに集約されます。

(1)利益率が努力に比例して伸びない構造
小規模事業の本質的問題は、「売上と利益が比例しない」という点にあります。たとえば、売上が2倍になっても、純利益が2倍にはなりません。なぜなら、・仕入れの増加・労働量の増加・広告費の増加・外注費の増加・在庫の増加といった変動費が同時に増えるからです。特に物販では利益率が低く、経常利益10%でも優秀です。

(2)税金が「がんばった分だけ重くのしかかる」構造
利益が出ると避けられないのが法人税です。利益が・800万円以下:20%前後・800万円以上:30%前後これは避けようがありません。ビジネスは、がんばればがんばるほど、税負担が比例して増えます。結果として、実質的に手元に残る資金はさらに少なくなる。

(3)労働集約の限界
スモールビジネスには、「自分が止まると収益も止まる」という構造があります。外注やシステム化で軽くできますが、根本的には自分の意思決定・個人能力・個人判断が中心である以上、限界は存在します。ここで重要なのは「努力の限界」ではなく「構造の限界」であることです。スモールビジネスには夢があります。

しかし、構造的に見れば、利益率にも、税負担にも、労働にも“天井”がある。だからこそ「努力」ではなく「構造」を変える発想が必要になります。そして、その構造の一つがあなたが語ってきた“ビジネスと資本を分離した二階建て思考”なのです。

余剰資金は「時間の器」に入れよ

スモールビジネスが生み出した「余剰資金」をどう扱うか?銀行融資で創り出した「滞留資金」をどう扱うか?この問いは、事業家の未来を決定づけます。“資金をどういう時間軸で扱うべきか?”と考えてみましょう。

(1)短期:ビジネスの燃料
余剰資金の一部は、短期のビジネス強化に使うべきです。
・仕入れ
・広告
・外注
・システム
これらは事業を回すための“即効性のある燃料”です。しかし問題は、燃料ばかり増やしても、エンジンが小さいままでは未来が変わらないということです。具体的には、利益で生活費を賄える・・・というのが、現実的な目的になります。

(2)中期:資本を“増える器”に移す
余剰資金の第二用途は、“ビジネス以外の器に移すこと”です。「時間と信用を味方にできる器」に資金を移す。ビジネスは短期的な増減に強いですが、時間の経過による加速(複利的増加)は苦手です。だからこそ、余剰資金の一部を“時間が増やしてくれる器”に置いておく必要があります。

具体的には、「米国成長株」です。これは短期ではなく、中期・長期でしか効果を発揮しません。短期では、地合いによって上下しますが、中長期でみれば、投資した企業の成長性に連動して、複利成長していきます。

例)5年で5倍・・・
<3,000万、年利38%の複利運用>
年数:運用結果(円)
0年目:3,000万
1年目:4,139万
2年目:5,719万
3年目:7,902万
4年目:1億0,916万
5年目:1億5,070万
6年目:2億779万
7年目:2億8,651万
8年目:3億9,520万
9年目:5億4,526万
10年目:7億5,242万
この複利成長は、自分で起ち上げたビジネスでは、再現することは不可能に近いです。

(3)長期:仕組みという“未来そのもの”を育てる
資金設計で最も重要なのは、「長期の仕組み(将来の自由)」をつくることです。長期の仕組みとは、
・毎年の信用
・意思決定の履歴
・資金の流れ
・法人の安定運営
・時間を味方にした計画
といった“見えない資産”の蓄積です。これこそが、「物販会社法人 → 銀行融資の信用創造→ 長期視点の米株成長株」の真髄です。ここに資金が流れ始めた瞬間、人生は「労働」ではなく「構造」で運営されるようになります。「時間の器」で決める。短期にすべて使えば、未来は細る。長期にすべて置けば、生活が不安定になる。だからこそ、短期(事業)・中期(資本)・長期(仕組み)の三層設計が必要なのです。そして、余剰資金を“どの時間軸に置くのか”という判断が、事業家の未来を分けます。

「北のセオリー」を導入するだけで未来は一変する

「貯金・資産・仕組みの構造」は、才能ではなく“理解と決断”で作れます。ほとんどの人が人生で苦しむ理由は、三つをごちゃ混ぜにするからです。

・貯金で未来を作ろうとし
・投資で生活費を埋めようとし
・仕組みを作らないまま老後に突入する

これは構造的に破綻します。逆に、「構造=北のセオリー」を理解し、それを静かに育てる人は、年代が上がるほど豊かになっていきます。なぜなら・・・構造は年齢に関係なく蓄積できる“未来そのもの”だからです。あなたが今日すべきことは、巨大な挑戦ではありません。

・短期(生活)
・中期(資本)
・長期(仕組み)

この三層を分けて考え始めること。ただそれだけです。その瞬間、あなたの未来は別の軌道へ動き始めます。お金を労働で稼ぐ人生から、お金を構造で育てる人生へ。短期に追われる人生から、長期に支えられる人生へ。不安に飲み込まれる人生から、構造が守ってくれる人生へ。あなたの未来は、今日この瞬間から変わり始めています。あとは、決めるだけです。

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