以前お話させて頂いた、「自己投資家」から「無敗の株式投資家」への昇格に必要な考え方を、シリーズでお話させて頂きます。「投資」と「投機」の違い ・・・何にお金を託すべきか?「投資」と「投機」、この二つの言葉は似ているようで、本質的にはまったく異なる意味を持っています。

資産形成に取り組むにあたって、この違いをしっかりと理解することが、成功と失敗の分かれ道になります。では、何をもって「投資」と言えるのでしょうか?それは、自分が託したお金が、社会の中で何らかの「価値」を生み出し、人々の問題を解決したり、誰かを喜ばせたりする活動につながっているかどうか?という視点で判断できます。

言い換えれば、「お金を預けた対象が、世の中に継続的に貢献しているか?」という問いに、「はい」と答えられるかどうかがカギなのです。たとえば、あなたが株式を通じて投資をする企業が、社会の中で長期的に価値を創造し続けている場合、それはまさに「投資」と言えるでしょう。

自分が日々働く中で「人や社会にどう貢献するか?」を考えながら行動しているように、企業もまた組織として「世界中の国と地域に住む人々の問題を解決し、感謝される価値を提供する」存在であるならば、その企業への投資は、自分の貢献と共鳴する健全な「価値の循環」なのです。

では逆に、「投機」とは何か?その典型的な例が「為替相場」や「暗号資産(仮想通貨)」です。たとえば、日本円で米ドルを買い、為替レートの変動によって利益を得ようとする為替投資。表面上は「投資」とも言えそうですが、米ドルそのものが、価値を生み出す活動をしているわけではありません。

少子高齢化によって成長が鈍化する日本に対し、人口増加や企業の活力が見込まれる米国の方が、将来性があるという「仮説」は立てられるかもしれません。しかし、為替の動きは各国の中央銀行による金融政策や突発的な国際情勢によって左右され、どれだけ研究しても「正確に読むこと」はできないのです。

これはもはや「情報とタイミングに賭ける行為」であり、まさにギャンブル的な「投機」であると言えます。さらに、近年注目を集めた「暗号資産」についても、同様のリスクがあります。「投資」は価値を産むものに、お金を託す行為。「投棄」は価値を産まないものに、お金を投じる行為。この本質的な違いを理解することが大切です。

「チューリップ・バブル」の実話

「投資」と「投機」の構図を理解するために、「チューリップ・バブル」という歴史的な事例を知っておくと非常に役立ちます。約400年前、オランダで起きたこの事件は、世界で最初のバブル経済と呼ばれることもあります。当時、奴隷貿易によって潤っていたオランダは、金が余るほどの経済大国となり、海や湖を埋め立てて土地を作るなど、その豊かさは異常なほどでした。

特定のチューリップの球根が貴族や収集家の間で高値で取引されるようになり、「チューリップに投資すれば儲かる」という噂が一気に広まります。結果として、一般市民までもがチューリップの球根を買い漁るようになり、ついには球根一つで馬車や家が買えるほどの価格になりました。

しかし冷静に考えてみれば、チューリップの球根自体には本質的な価値はありません。ただの植物に、異常な価格がつく理由は「みんなが高くなると思って買っているから」に過ぎなかったのです。一度その幻想が崩れると、価格は暴落し、多くの人々が財産を失いました。

この「チューリップ・バブル」の構造は、「暗号資産」にも重なります。暗号資産そのものが社会に直接的な価値を生み出しているかといえば、根拠が見当たりません。現状では「上がるかもしれない」という期待によって価格が釣り上がっている面が強く、実体的な価値に基づいていない以上、「いつか誰かが売り抜けた時点で価値が崩れる」リスクを常に内包しています。

また、暗号資産は日本の法律上も正式な「金融資産」としては認められておらず、金融機関における信用評価や資産形成においても限定的です。資産形成を目指すならば、目先の値動きに一喜一憂する「投機」ではなく、「社会にとって本質的な価値を創造し、提供している企業」への「投資」を選ぶことが、最も堅実で長期的な成果につながるのです。

お金はただ儲けるための道具ではありません。社会に「価値ある活動を支える手段」として投じることで、はじめて自分の人生にも「持続的な豊かさ」として返ってきます。「投資」をするということは、自分のお金と未来を「誰に」「何に」託すかを決めることなのです。しっかりと見極める目を持って、「投資」と「投機」の違いを理解することが、豊かな未来への第一歩になるのです。

どんな企業に「投資」しますか?

本質的には「株式投資」は、単なる「お金儲け」の手段ではありません。「世のため、人のため、自分のため」に貢献している企業や組織に、自分の資産を託すという行為です。お金とは、感謝の気持ちが数値化されたもの。そして多くの人々から感謝されている企業には、自然とお金が集まり続けます。

だから、「お金が集まり続けている企業」に投資をすることが、長期的な資産形成の上で最も本質的で確実な方法とも言い換えることができます。実際に、長年にわたり継続的に利益を上げている企業には共通点があります。それは、「社会の課題を解決している」「顧客を喜ばせている」ということです。

つまり、彼らは価値を生み出すことに長けた組織であり、顧客や社会の「困った」「もっとこうしたい」といったニーズに応え続けているのです。特に米国の成長企業は、世界中の人々にサービスや製品を届け、地球規模で価値を創り続けています。世界の人口が増加すればするほど、こうした価値提供の規模も拡大し、結果として企業が稼ぐ利益も膨大になっていきます。

これが、株価が一時的に下がったとしても、投資して、ガチホし続けられる根拠。長期的な視点では十分なリターンが見込める「健全な投資」と言える理由です。企業の利益とは、社会や顧客からの「ありがとう」の対価です。

その企業が提供した商品やサービスが、「困っていた問題を解決してくれた」「生活がより良くなった」と実感された時、はじめて対価としての利益が発生します。つまり、企業の利益構造を見ることは、社会貢献の構造を見ることと同義なのです。では、株式投資において、企業をどう見極めるべきか?投資には「手足を動かす労働」はありませんが、「頭を使う労働」は必要です。

良い企業に投資するためには、情報収集と分析、そして未来を考察する力が求められます。どのような企業が長期にわたって成長できるか?それは今現在、そしてこれから先の社会の課題を解決し続ける企業です。

<その2へ続く>

「株の銘柄名」だけを聞いても、「株式投資」では勝ち続けられません。

・怖くて投資できないか?
・ちょっと上がって売却するか?
・下がってビビって損切りするか?

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