「ロイ式」物販ビジネスの基本となる考え方は、「商品」と「人」という二つの要素が揃って初めて収益が生まれる、という哲学にあります。取引先やお客様との信頼関係が築けていなければビジネスは成り立ちません。
一方で、人間関係だけを大切にしていても、商品に魅力がなければ売上は生まれません。この二つの要素を常に意識して、バランスよく育てていくことが、「ロイ式」における成功の土台となります。まず、ビジネスを始めるにあたって重要なのは「売れる商品」を見つけることです。
市場にあふれる膨大な商品の中から、本当にお客様に価値を提供できるものを見つけるには、そのためのセオリーが必要です。世の中で何が人気を集めているのかをECサイトで調べるところから始まり、既にその商品を販売している店舗の価格帯やレビュー内容を読み解くことで、予め「ロイ式」で設定されている基準通りに商品を選定します。
商品が見つかったら、次に求められるのが仕入れ先との信頼関係の構築です。僕たち小規模事業者にとって、メーカー・卸売問屋から「この人なら安心して取引できる」と思ってもらえることは重要です。誠実な連絡対応や、注文と支払いに関するルールをきちんと守る姿勢も大切です。
また、なぜこの商品を扱いたいのか?どんなお客様に届けたいのか?といったビジネスの背景や想いを伝えることで、仕入れ先との関係がより深まり、場合によっては優先的に良い商品を紹介してもらえることもあります。取引は最初から大きく始める必要はなく、むしろ小さく確実に実績を積み重ねていく方が、長期的な信頼につながります。
商品を仕入れた後はいきなり大量に販売するのではなく、まず少量での販売を行います。これは在庫リスクを抑えつつ、市場の反応をリアルに測るための重要なステップです。販売ページを作成する必要はありません。Amazonで売ることそのものが、テストセールスにつながります。
「良い商品」を出品できれば、販売方法を工夫する必要もなく、勝手に商品が売れ続けます。「実際に売れた事実」を元に、自信を持って追加発注に進むことができるのです。
「拡張フェーズ」でも重要な「信頼」
ビジネスが安定し始めたら、次は拡張のフェーズに入ります。名刺上に記載されている「自分のお店」の商品が売れる必要がありませんが、品揃えによって自分の会社がどのような姿勢で商品に向かい合っているのか?メーカー・卸売問屋に対して、アピールが可能です。
たとえば、自分が取り扱っている商品群に一貫したテーマやメッセージを持たせることで、メーカー・卸売問屋から「このお店の店主は信頼できる」「ここに商品を卸しても間違いない」と思ってもらえるようになります。店舗ページの見た目や商品説明、にこだわることで、よりプロフェッショナルな印象を与えることも、より「良い商品」を継続的に獲得し続けるために、有効的な手段になります。
ビジネスが成長していく中でも、最終的に最も重要になるのが「信用・信頼」です。信用は仕入れ先、プラットフォーム、お客様、金融機関といった関係者すべてに対して求められるものであり、これを築けるかどうかが、継続的な成功を左右します。たとえば、仕入れ先に対しては法人登記されていることや、実際に自社サイトに商品が出品・陳列されていること。
販売に利用しているプラットフォームからは、クレームの有無、違法行為がないことなどによって判断されます。知的財産の侵害やルール違反があれば、その後の販売が困難になることもあるため、細心の注意が必要です。また、高評価のレビューが多く、安定した販売実績がある様子を見せられる状態は、商品を購入してくださるお客様からの信頼性につながります。
お客様からの信用は、商品が約束通りの状態で届き、きちんと使えることが前提です。そのうえで、問い合わせに対する対応が丁寧で迅速であることも安心感を与えます。銀行を中心とした金融機関からの信用を得るには、黒字の決算が続いていることが重要です。
そのうえで、経営者自身がどんな考えのもとに事業を行っているかという点も見られます。取引先の安定性や事業計画の明確さなども、融資の判断に影響を与えます。返済の遅延がなく、経営がしっかりしていることを示すことで、資金調達の面でも有利になるのです。
「ロイ式」物販ビジネスの成功とは、派手なマーケティングや急激な成長ではなく、地に足をつけた丁寧な商売の積み重ねによって生まれます。目の前のひとつひとつの仕入れと販売、取引先やお客様とのやり取りを誠実にこなしながら、小さな信頼を積み重ねていくこと。それこそが、ビジネスを持続的に成長させる最大の力になるのです。
「コピペ」は絶対にしないこと!
「ロイ式」の国内仕入・国内販売の物販ビジネスにおいて成功するためには、商売の基礎的なベースがある上で、事業全体の「オペレーションの仕組み化」が重要となります。実際には、やるべきことも、やりたいことも次々と出てきますが、それを無秩序にこなしているだけでは事業としての成長は望めません。
時間も資金も人手も限られた小規模事業者こそ、「やること」と「やらないこと」を明確に区別し、再現性のある形で業務を運営していく必要があります。「ロイ式」物販においては、商品の仕入れから販売、在庫管理、顧客対応、データの分析といった一連の流れがありますが、普通に自力でやろうとしてしまうと、それぞれの業務にかかる時間や手間は無視できません。
そこで重要になるのが、全体を俯瞰し、どこにリソースを割くべきか、何を自動化できるかという判断です。これこそが「戦略」であり、日々の業務に優先順位を与えることで、限られたエネルギーを最も効果的に使うことができます。
ここで基準となるのが、「何をマニュアルで行うか」「何を仕組みとして標準化・自動化するか」という分岐点です。マニュアルとは、人間が手作業で行うことを前提とした業務手順のことであり、そこには判断や応用が必要な作業が含まれます。一方で、標準化された作業とは、誰がやっても同じ成果が得られるよう定型化された業務であり、それをさらに自動化することで、人的リソースの負荷を大幅に減らすことができます。
この「仕組み化」の中心になるのが情報の扱い方です。物販ビジネスの本質は「モノの流通」ではなく「情報の管理と活用」であるという認識が必要です。物販と言っても、僕たち自身が商品を手にとって扱うわけではありません。
商品の情報、在庫の情報、売上の情報、顧客の情報といったあらゆるデータが整理され、適切に扱われていなければ、いずれ業務の混乱や販売機会の損失につながります。データを扱う上では、「一度入力したデータは二度と手入力しない」という考え方が基本となります。
「コピペ作業」は便利に見えて、実際には時間と労力を浪費し、エラーの温床ともなります。このような単純作業は、外注に出すのではなく、そもそも発生させない仕組みにするというのが現代のビジネス設計における重要な発想です。情報管理の実践方法としては、スプレッドシートの活用が非常に有効です。スプレッドシートは無料で使えるうえに、クラウド上で複数人が同時に作業でき、関数やスクリプトを組み合わせれば、データベースのような運用も可能となります。
Excelでも類似のことはできますが、スプレッドシートには外部システムとの連携やAPIを通じた自動処理の自由度が高く、日常的に更新される物販ビジネスとの相性が良いのです。スプレッドシートを用いたデータベースの構築においては、「正規化」「一貫性」「論理的な整理整頓」が要点となります。
たとえば、入力ミスを防ぐためには、あらかじめ入力規則やプルダウンリストを設け、データが統一されるようにします。そして、シート全体やシート内のタブを目的ごとに分け、商品、在庫、注文、売上といった各カテゴリを明確に管理できるようにしておくことが大切です。
適切に「外注化」を図る
一方で、すべてを自社で抱え込むのではなく、専門性の高い分野については外部のシステムやサービスを利用することも重要な戦術です。たとえば、メーカー・卸売問屋からの商品の受取り。受け取った商品のデータ化や商品の発送業務などは、外部サービスに頼ることで業務の質が高まり、自社の人的負担が減ります。
確かに外部はコストがかかりますが、時間の節約、予期せぬトラブルに対するリスク管理といった点で、その対価は合理的であることが多いのです。このような判断をする際には、常に「自分でやるべきか」「外注すべきか」「AIに任せるべきか」という視点が問われます。
とくに、近年急速に進化している生成AIは、情報整理、文章作成、データ分析、簡易的なチャット対応など、あらゆる場面に応用できる可能性を持っています。ルーティン業務や、定型的な処理、または判断の補助が求められる場面では、AIの活用が人的リソースの負荷を大幅に軽減し、かつ品質も安定させる効果を持ちます。
このように、「ロイ式」物販の成功には、「業務全体の可視化」と「業務ごとの最適化」が不可欠です。日次、週次、月次のルーチン作業を洗い出し、それぞれに対して標準化や自動化を検討していく。そして、業務ごとに誰がどのように取り組めばよいかを明確にした「標準作業手順(SOP)」を設けていくことで、事業の属人化を防ぎ、誰でも再現可能な業務体制を築くことができます。
最終的には、月商500万円、月商1,000万円、月商1,500万円・・・売上の増加にも対応できるよう、業務フロー自体が「拡張性のある設計」になっていることが望まれます。成長していく過程において、スプレッドシートを中心としたデータ管理と、外部・内部リソースの適切な使い分けが、事業の継続性と収益性を大きく左右します。
経営判断を支える仕組みとして、売上分析や在庫最適化、損益分岐点の計算といったBI的な機能も、情報整理ができていればすぐに実装可能になります。「標準化」「マニュアル化」「自動化」という三つの軸を組み合わせていけば、僕たちのように小規模事業者であっても強く、継続性のあるビジネスを築くことができます。
これらのことも、「ロイ式・マスター年間プログラム」を通して、1年間かけてじっくりと学びながら、形にしていくことができるのです。「ロイ式・マスター年間プログラム」では、王道的なビジネスの経営方法も習得することが可能です。しかし、現在募集中の「第七期」をもって、プログラムは終了になります。
今回が「ロイ式」を習得する最後の機会です。以降、新たに募集することはありません。5月31日(土)が「第七期」の申込み締め切り日、6月8日(日)に、「第七期」の第一回目の講義がスタートします。今期でファイナル、「ロイ式・第七期」説明会を兼ねたセミナー https://joinnow.live/s/5hIJtv
「銀行融資+「ロイ式」自分でもできますか?ミスタMに相談可能です。オンラインZOOMで開催する『ミスタMの個別相談会』を申し込む→ https://forms.gle/tAQsuM6iaGADV5UA6
※今日のお話を「Spotifyポッドキャスト」で視聴する→ https://creators.spotify.com/pod/show/s43vncn03k/episodes/ep-e33b5n0