全部を自動化しようとして、潰れていく
物を仕入れて、売る。物販という仕事には、作業が、たくさんあります。一日の流れを、思い浮かべると、その多さに、あらためて、驚かされます。まず、売れる商品を、探すところから、始まります。見つけたら、仕入れ先と、交渉する。仕入れたものを、一つずつ、出品する。写真を撮り、説明文を書く。在庫を管理し、発送する。顧客からの問い合わせに、返事をする。売上を分析し、税務の処理をする。
数えあげれば、きりがありません。どれも、それ自体は、特別に、難しい作業では、ありません。けれど、数が、多い。そして、毎日、途切れなく、やってくる。一つ終われば、次が来て、その次も、待っている。本業を持ちながら、この全部を、一人でこなすのは、どう考えても、無理があります。
ここで、多くの方が、こう考えます。AIがあるなら、これを全部、自動にしてしまおう、と。気持ちは、よく分かります。けれど、これをやると、たいてい、潰れます。一度に、全部を、自動で回そうとすると、どこかで、必ず、歯車が噛み合わなくなる。一つが止まれば、その先も、止まる。気づけば、自動化の仕組みを、直すことに、一日が、消えていく。
本業のある方なら、なおさらです。夜、くたくたで帰ってきて、動かなくなった仕組みと、にらめっこ。これでは、何のために、始めたのか、分かりません。僕も、はじめの頃は、同じ失敗を、しました。あれもこれもと、欲張って、一気に、仕組みを、組もうとした。
結果、どこかが、すぐに詰まり、その手直しに、追われて、肝心の仕事が、進まない。遠回りをして、ようやく、分かりました。急がば、回れ、なのだと。だから、最初にやるべきは、全部を、自動にすることでは、ありません。どこから手をつけるかを、決めることです。
そして、この順番を決める判断こそ、AIに、相談すべきところなのです。急いで手を動かす前に、まず、立ち止まって、相談する。それが、遠回りに見えて、いちばんの、近道になります。
物販は、成績表を作るためにやる
その話に入る前に、一つ、確認しておきたいことが、あります。そもそも、何のために、物販を、やるのか?ここが、世間の物販とは、まるで違います。多くの人は、売上を、右肩上がりに、伸ばそうとします。去年より今年、今年より来年。数字を、大きくすることが、正しいと信じている。
けれど、「北の物販大富豪の訓え」は、違います。物、金、伝票。ビジネスを、真剣にやればやるほど、かえって、儲かりにくくなり、必死になれば、体を壊す。はじめて、この言葉を聞いたとき、僕は、意味が、分かりませんでした。商売なのだから、売上は、多いほど、いいはずだ、と。けれど、続けるうちに、その、本当の意味が、見えてきました。
売上を、むやみに追うと、仕入れが膨らみ、在庫が積み上がり、手元の現金は、かえって、減っていく。それよりも、大切なことがある。では、何のために、やるのか。会社の成績表を、作るためです。毎年、決算書という、一枚の成績表が、できあがります。売上が9、経費が8、利益が1。この形を、毎年、淡々と保ち続ける。それが、この財布の、本当の目的です。
なぜ、その形が、大事なのか。毎年、この形を、崩さずにいると、会社の口座には、少しずつ、現金が、積み上がっていきます。そして、現金の貯まった会社には、銀行のほうから、もっと貸したい、と、声がかかる。つまり、物販の成績表は、次の財布への、入り口にも、なっている。
だから、派手さは、要らないのです。売上の大きさを、競うのでは、ありません。成績表の形を、整えるための実体として、物販を、持っておく。ここが分かると、自動化の意味も、変わってきます。派手に売り伸ばすための、自動化では、ない。毎年、同じ形を、淡々と保ち続けるための、自動化です。淡々と、続くもの。それこそ、疲れない手に、任せるのに、向いています。
まず相談する。何を任せ、何を握るか
では、どう始めるのか?いきなり、作業を自動にする前に、やることが、あります。自分だけの、物販の相談相手を、先に、育てるのです。ロイ式。ケイタ式。どちらも、講師だけでなく、数多くの受講生たちが、実際に結果を出してきた、物販の設計図です。
ロイ式は、国内で仕入れ、国内で売る。ケイタ式は、国内で仕入れ、海外へ売る。この設計図を、まるごと、AIに読ませる。すると、そのAIは、ネットで拾った、ありふれた物販論ではなく、実証された、一本の型に沿って、あなたに、答えてくれるように、なります。
はじめて、これを試したときは、少し、驚きました。同じことを聞いても、ふつうのAIは、どこかで見たような、一般論を返してきます。ところが、設計図を読ませたAIは、その型の言葉で、具体的に、答えてくれる。まるで、その道を、歩いてきた先輩が、すぐ隣に、座っているようでした。
ここで、一つ、大事な指定があります。余計な一般論を、混ぜないでほしい。そう、はっきり伝えることです。これを伝えないと、せっかくの設計図が、世間の平凡な知識で、薄まってしまいます。講師が構築した実証が、台無しに、なるのです。こうして、自分専属の、物販マネージャーが、できあがります。
そのうえで、はじめて、相談します。今、自分は、月にこれくらいの商売をしている。使える時間は、一日、これくらい。この状況で、どの作業から、任せるのがいいか。そう、具体的に、打ち明ける。すると、たいてい、同じような答えが、返ってきます。回数が多くて、やり方が、決まっている作業。そこから、始めなさい、と。なぜ、そこからなのか。理由は、はっきりしています。
同じ手順を、何度も繰り返す作業ほど、任せたときの、効き目が大きい。一日に、何十回も繰り返すことを、まるごと、手放せれば、浮く時間は、相当なものになります。逆に、月に一度しか、やらない作業を、苦労して、自動にしても、手間のわりに、報われません。
だからまず、毎日の、繰り返しから、手をつける。たとえば、商品を出品する作業。価格を、調整する作業。こういった、毎日のように繰り返し、手順が決まっているものは、疲れない手に、任せやすい。逆に、最後まで、自分の手元に、残すべきものも、あります。
何を仕入れるか。どこから仕入れるか。この目利きだけは、経験を積んだ、あなたにしか、できません。相場を、肌で感じ、売れ筋の、気配を読む。仕入れ先の、担当者と、信頼を、積み重ねる。どれも、長年の経験が、ものを言う世界です。AIは、数字は読めても、この、勘どころまでは、持てません。
同じ商品でも、今、仕入れるべきか。もう少し、待つべきか。その見極めは、過去の相場や、季節の動き、街の空気まで、体で、覚えた人にしか、下せません。AIに聞けば、もっともらしい答えは、返ってきます。けれど、最後の引き金を引くのは、やはり、あなた自身です。ここを手放すと、物販そのものが、崩れます。
作業はまかせ、目利きは手放さない
ここまでで、一つの、線が見えてきます。作業は、AIに。判断は、自分に。この線を、引けるかどうか。ここで、すべてが決まります。全部を、自動にする必要は、ありません。十ある作業のうち、二つ、三つが、疲れない手で、回るだけで、一日の中身は、大きく変わります。
出品と、価格調整が、勝手に進んでいる。その間に、あなたは、次に何を仕入れるかを、じっくり考えられる。手を動かす時間が、考える時間に、変わるのです。少し、思い出して、みてください。これまでは、どうだったか。夜、帰ってきてから、出品の作業に、一時間。価格の調整に、また一時間。気づけば、仕入れを考える気力など、どこにも、残っていない。
それが、逆になります。退屈な繰り返しは、すべて、任せてしまい、自分は、いちばん頭を使うところだけに、静かに、向き合える。物販は、成績表を作るための、実体でした。その成績表づくりが、疲れない手で、静かに回り始める。売上を、無理に伸ばさなくても、9−8=1の形が、毎年、きれいに整っていく。
これが、二つ目の財布に、AIを組み込む、ということです。エンジニアゼロ。コードスキルゼロ。プログラミング経験ゼロ。その状態から、Claude、ChatGPT、Geminiという、三つのAIを、自分の手足として、育てていく。作業に追われる物販から、判断に集中できる物販へ。
五つの財布の、二つ目。稼ぐ、という財布は、全部を任せることでは、なく、何を手元に残すかを、決めることから、始まります。どこまでを、疲れない手に、ゆだね、どこからを、自分の手で、握るのか。その線を、一本、引く。たったそれだけで、物販は、苦行から、静かに回る仕組みへと、変わっていきます。今日は、ここまでにします。次は、三つ目の財布。創る、という財布に、AIを、どう組み込むのか。銀行から、お金を借りる、という話を、していきます。