なぜ、支店長まで出てきたのか?
会議室でした。証券会社の、社員用の部屋です。応接室でも、窓口でもありません。普段は社員だけが使う場所に、通されました。案内される途中、フロアの椅子に座って待っている人たちの横を通りました。同じ建物の中に、一緒にいます。ただ、通される部屋だけが違いました。
扉が開いたとき、中で待っていたのは担当者ひとりではありませんでした。支店長。課長。担当。その下のスタッフたち。総出で、迎えられました。名刺が、順に差し出されました。こちらは、何者でもありません。役職もなければ、その業界に知り合いもいません。
ただ、口座を1つ開きに来た人間です。口座を、1つ開くだけです。書類に判を押して、入金の手続きをする。それだけのことです。30分もかかりません。それでも、その部屋には5人がいました。全員が、時間を空けてそこに立っていました。部屋を出たあと、しばらく何も言えませんでした。
嬉しさではありません。もっと重たい、少し薄暗いものが残りました。あの扱いは、僕という人間に向けられたものではないからです。向けられていたのは、持ち込んだ金額に対してでした。金額のほうが先に部屋へ入っていて、僕はあとからついてきただけです。それが分かるだけの分別は、こちらにもあります。
世の中には、線が引かれています。その線の内側と外側で、届く情報が違います。かかってくる電話の本数が違います。同じ日に、同じ銘柄を買っても、手元にある材料が違います。判断の速さではありません。判断する前に持っているものの量が、そもそも違うのです。同じ勝負をしていると思っていたのは、こちら側だけでした。
そしてこの線は、努力の量では越えられません。どれだけ真面目に勉強しても、どれだけ長く市場を見ていても、越えられない。金額でしか越えられない線が、確かにあります。気持ちのいい話ではありません。公平でもありません。ただ、そうなっているという事実だけがあります。
その事実を知らないまま何年も過ごすことが、結局は一番高くつきます。投資は少額から。まずはコツコツ、積み立てから。よく言われることですし、間違ってもいません。ただ、その道をどれだけ真っ直ぐ進んでも、あの会議室には辿り着きません。
扉の鍵は、別の場所に掛かっているからです。積み上げた先に扉があるのではなく、扉のほうが最初から別の場所にあります。今日は、その線のお話をします。最初の線が、どこに引かれているのか?そして、線をまたいだ人の目に、何が見えるのか?
線の内側では、何が変わるのか?
口座が開いた翌週から、生活が変わりました。営業日には毎日、担当者から携帯に電話が入ります。今日の相場がどう動いたか?どの筋が何を仕込んでいるのか?市場が何を織り込みはじめているのか?ニュースになる前の話が、声で入ってきます。文字ではなく、声です。これが、思っていたよりも大きな違いでした。
記事にできない話は、記事になりません。けれども、声でなら伝わります。百貨店の外商が付くのに、少し似ています。あるいは、秘書が1人増えたようなものです。朝、着信が入る。それだけで、その日の相場との距離が変わります。こちらが探しに行くのではなく、向こうから届く。この向きの違いが、1年も経つと、とんでもない差になります。
それまでは、どうしていたか?画面の前に座って、自分でニュースを探して、自分で判断して、誰にも聞けませんでした。分からないことがあっても、検索するしかありません。出てくるのは、誰かの意見か、半年前の記事です。その状態で、線の内側にいる人たちと同じ市場で売り買いをしていました。
勝てるはずがありません。腕の問題ではありませんでした。座っている場所の問題でした。厄介なのは、ここです。線の外側にいるあいだは、その差があること自体が見えません。見えないから、負けた理由を自分の勉強不足だと思い込みます。そして、また本を買います。また動画を見ます。努力の方向が、少しずつずれていきます。
本にも、動画にも、そこは書かれていません。書けないからです。どこかの支店の、どこかの担当者からかかってくる電話の中身は、どこにも出てきません。知らないでいるほうが、たぶん、楽です。知ってしまうと、今いる場所がどこなのかが分かってしまうからです。
それでも、知ったほうがいい。場所が分かれば、動く方向が決まります。分からないまま走り続けるより、一度立ち止まって地図を見たほうが早いからです。この口座には、もう1つ背景があります。指定されているのは、日本の大手証券会社の、ある支店です。
その支店長も、担当者も、メンターが長い時間をかけて育ててきた人たちです。証券会社と顧客が、それぞれどう振る舞えば互いに勝ち続けられるのか。その一点を、支店ぐるみで追いかけている場所です。
普通の口座ではありません。支店の側にとっても、そういう客だけを相手にしていたい。互いにそう思える状態を、長い時間をかけて作ってきた場所です。そこに座れる人数には、限りがあります。
なぜ、3,000万円なのか?
では、その線はどこに引かれているのか。「3,000万円」です。指定の証券会社の口座に、3,000万円以上を入れて、現金か証券のまま維持し続けられること。これが、入り口の条件です。なぜ、1,000万円ではないのか。理由は、その先の目盛りにあります。プラチナの共通の目標は、5年で5倍、10年で10倍。3,000万円をその目盛りに乗せると、5年で1億5,000万。10年で、3億です。
意外と、5年で10倍になることもあります。ここまで来ると、働き続けるかどうかを自分で決められます。同じ目盛りに1,000万円を乗せても、10年で1億。悪い数字ではありません。ただ、10年後の自分の年齢を数えてみると、それでは間に合わない方が多いのです。最初に置く塊の大きさが、10年後に選べる範囲を決めてしまいます。
もう1つ、もっと現実的な理由もあります。支店が総出で迎え、担当者が毎日電話をくれる。あの扱いが成り立つのは、それだけの金額が置いてあるからです。金額が下がれば、扱いもそこまでです。冷たい話ですが、向こうも商売です。個人の口座だけで揃える必要はありません。
自分が株主の法人口座でも、配偶者や子ども、ご両親や兄弟姉妹との合算でも構いません。ただし、ここに1つだけ、はっきりした線があります。生活資金を削って作った3,000万では、参加できません。つまり3,000万円は、捻り出す額ではないのです。余っている額でなければならない。
理由は、はっきりしています。生活がかかっている資金は、下がった年に売ってしまうからです。売った時点で、5年も10年も関係がなくなります。だから、順番があります。物販で稼ぎ、法人で回し、銀行融資で創る。その戦略術に沿って4年、5年と続けていると、会社の資金を含めて3,000万円は、比較的余裕をもって準備できます。
先に事業の話があり、そのあとにこの扉の話が来ます。審査もあります。ただ、求められているのは資産の額ではありません。「まじめさ」だけです。毎回、オフラインで出席すること。事前の質問と感想を、毎回提出すること。証券会社の担当者から、毎日連絡を受けること。
そして、勝手なことをしないこと。長期視点の米国株が中心です。日本株はIPOのみ。それ以外は、別の口座でやってください、という決まりです。もちろん、相場が下がる年もあります。増える保証はどこにもありません。
それでも、同じ材料を持ち、同じ場所に座り、同じ時間軸で持ち続ける。その条件を揃えた人たちが、何をしているのか。1人でやると、だいたい途中で降ります。そこに、価値があります。
9月13日(日)10時に開催します
「3,000万円」は、上がりではありません。入り口です。ここを取り違える方がとても多い。実際、3,000万円を作った人が次に感じるのは、達成感ではないそうです。この額では、まだ何も変えられない。その、静かな失望です。家も買えません。仕事も辞められません。
生活は、昨日と何も変わりません。通帳の桁が1つ増えただけで、朝起きる時間も、乗る電車も、同じままです。ここで、多くの方が気持ちを折ります。こんなに苦労して、これだけか、と。そして、使ってしまいます。車に。家に。旅行に。それも1つの選び方です。ただ、使った瞬間に、扉は閉じます。
けれども、その失望こそが、線の上に立った証拠でした。外側にいるあいだは、3,000万円は遠い目標に見えます。またいだ瞬間に、それが出発点だったと分かります。景色が変わるのではありません。目盛りのほうが変わります。これまで大きく見えていた金額が、急に小さく見えはじめます。
そこから先の道は、これまでとは性質が変わります。働いて増やす道ではありません。座る場所を選び、持ち続けるだけの道です。やることは減ります。ただ、時間だけは必要になります。5年で5倍。10年で10倍。その10年を、いつ始めるか。今日始めた人と、3年後に始めた人は、同じ10年後に立っていません。3年ぶん、後ろにいます。その3年は、あとから取り返せません。
お金は、あとからでも作れます。時間だけが、作れません。9月13日、日曜日の10時から。「地下ソサエティ」の最上級、「プラチナ」の説明会を兼ねたセミナーを開催します。中で何をしているのか?どういう条件で、何を求められるのか。3,000万円を、どう置いておくのか?その全体をお伝えします。
こちらは、金融資産3,000万円以上の方に限らせていただきます。扉の話をする場ですから、扉の前に立っている方だけに聞いていただきたいのです。まだ届いていない方には、先に、作る側のお話が必要になります。順番が逆になると、どちらも中途半端に終わります。
9月13日(日)10時「地下ソサエティ」の最上級、「プラチナ」の説明会を兼ねたセミナー
◆お申し込みはこちらから→https://m.kitasociety.com/260913
あの会議室の扉は、金額でしか開きませんでした。ただ、その金額を作る道筋のほうは、すでに形になっています。扉の前まで来た方には、その先をお見せします。人生を動かすのは、今、この瞬間です。